「仕様が決まりきっていないのに、エンジニアに開発をお願いしてしまった」
「レビューのたびに『ここの考慮が漏れている』と指摘されて手戻りが発生する」
「ドキュメント作成に時間がかかりすぎて、本来やるべき戦略業務に手が回らない」
プロダクトマネージャー(PdM)を始めて1〜3年目の方が最もぶつかる壁。それが「要件定義(ドキュメント作成)」です。
なぜ、あなたの要件定義は終わらないのでしょうか?
能力が低いからではありません。書き方の「型(フォーマット)」を持っていないからです。
今回は、手戻りを劇的に減らし、チーム開発を加速させるための「ドキュメント作成の型」について解説します。
1. なぜ「要件定義」で失敗するのか
失敗するPdMのドキュメントには、共通する特徴があります。それは「How(どう作るか)」ばかり書いてあり、「Why(なぜ作るか)」や「Criteria(完了条件)」が曖昧なことです。
例えば、こんな指示出しをしていませんか?
「ログイン画面に『パスワードを忘れた方』というリンクを追加してください。」
これだけでは、エンジニアは動き出せません。
- リンクを押した後の遷移先は?
- メール送信画面のデザインは?
- 送信完了後のメッセージは?
- セキュリティ要件は?
これらを聞かれるたびにチャットで返信し、追加で仕様書を書き直す……この「往復」こそが、あなたの時間を奪っている最大の原因です。
2. 優秀なPdMは「ドキュメント」でチームを動かす
一方、成果を出しているPdMは、エンジニアやデザイナーに口頭で細かく説明しません。
「このドキュメント(PRD)を読めば、すべてわかる」という状態を最初に作り上げます。
これにより、以下のメリットが生まれます。
- 手戻りがなくなる: 事前に考慮漏れを潰せるため、実装後の「思ったのと違う」が消える。
- 信頼される: 「この人の仕様書はわかりやすい」という信頼が、チームの士気を高める。
- 時短になる: 毎回ゼロから構成を考えず、「型」埋めるだけで仕様書が完成する。
3. 手戻りを防ぐ「ドキュメントの必須5項目」
では、具体的に何を書けばいいのでしょうか。私が実務で使用しているフォーマットから、絶対に外せない5つの要素を抜粋します。
(1) 背景と目的 (Why / Context)
機能の内容よりも先に、「なぜ今これをやるのか」「ユーザーのどんな課題を解決するのか」を言語化します。ここがブレると、開発途中で迷走します。
(2) ユーザー体験の流れ (User Story)
「ユーザーがボタンを押すと、画面Aから画面Bへ遷移し、完了トーストが表示される」といった一連の流れを定義します。
(3) 完了条件・受入基準 (Acceptance Criteria)
「何をもって完成とするか」の基準です。「正常系」だけでなく、「エラー系(通信失敗時など)」の挙動もここで定義します。
(4) 影響範囲 (Impact / Risk)
この機能をリリースすることで、既存の機能に悪影響が出ないか、データ不整合が起きないかなどのリスクを記載します。
(5) KPIと計測方法 (Metrics)
リリース後に「成功か失敗か」をどう判断するか。ログの埋め込み要件も含めて記載します。
「型」があれば、PdMの仕事はもっと楽しくなる
ドキュメント作成は、PdMの仕事の一部に過ぎません。
しかし、ここに時間がかかりすぎると、本来やるべき「ユーザーヒアリング」や「ロードマップ策定」に時間が割けなくなってしまいます。
毎回「見出し」から悩むのはやめましょう。
「決まった型」に思考を流し込むだけで、品質の高いドキュメントが出来上がる。
その状態を作ることで、あなたはもっと本質的な価値づくりに集中できるようになります。
【Notionテンプレート配布】迷わず書ける「実務の型」を手に入れませんか?
記事で紹介したドキュメントの項目を、いちいち手動で作る必要はありません。
私が実務で数年かけてブラッシュアップし、実際の現場で使用している「PdM業務のテンプレートセット(Notion版)」をnoteで公開しました。
- [v] 要件定義書(PRD)完全版: 埋めるだけで考慮漏れがなくなるフォーマット
- [v] KPI設計ツリー: 事業目標から施策KPIへの落とし込みシート
- [v] 施策優先度管理ボード: ICEスコアを用いた優先順位付けの型
- [v] リリース前チェックリスト: 致命的なミスを防ぐ最終確認リスト
「もうドキュメント作成で悩みたくない」「プロの型をそのまま使いたい」という方は、ぜひ手元に置いて活用してください。
※すでに多くの新人PdMの方に導入いただいています。
※Notionへの複製(Duplicate)機能ですぐに使えます。



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