結論:最小差し替え(1SP)を「Aha→TTV→翌日活性(D1)」の線に乗せ、前後2週間で判定するだけで、ビルドトラップは実務から外せます。
会議室の空気が重くなるのは、“全部やる”が正しそうに見えるから。私はPdMのマネージャーとして、いつも施策を1SPに割り、Ahaに直結→TTV短縮→D1接続の順で並べます。本稿はシリーズ第3回。オンボーディング/検索体験/通知運用の3ケースで、現場にそのまま貼れるテンプレをまとめました。
Aha→TTV→翌日活性の並べ方は、詳しくはKPI設計と運用ガイドをご覧ください。
1. 1SPの原則:一画面・一差し替え・一目的(Aha/TTV/D1のどれに効くか)
1SPは“最小で価値に当てる”ための単位です。施策を「一画面・一差し替え・一目的」に分解し、線上にない装飾は変更窓24hに送る。判定は前後2週間、数字が薄い週は代理指標で補強。これで、会話は「やる/やらない」から「どの線に、いつ効いたか」へ移ります。
要点:①主語はユーザーの達成 ②Aha/TTV/D1のどれに効くか明示 ③分岐は増やさない ④中央値でTTVを見る ⑤撤退条件を先に置く。
【1SPチェックリスト(コピペ可)】
- 一画面・一差し替えで言い切れるか
- Aha/TTV/D1のどれに効くか明記したか
- 分岐(if)を増やしていないか
- 前後スクショ+イベントログを撮れるか
- 撤退条件(未達なら停止)を書いたか
具体例:“チュートリアル動画追加”をやめ、「説明2行化」に置き換え。Aha到達が即週で立ち、動画はNon-Goalのまま終了できました。
まとめ:1SPに割るほど決めやすく、速く回せます。
2. ケースA:オンボーディング—説明2行+導線1本化でAhaを最短に
オンボは“最初のつまずき”を潰せるかが勝負。画面の飾りではなく、Ahaに直結する2点(説明2行化/導線1本化)に絞ります。成功トーストと再開カードはD1へ橋を架ける最小要素。細部の色や余白は変更窓で十分です。
要点:①Ahaの一文定義 ②文言2行で用語難を解消 ③導線は一本道 ④成功トーストで達成を言語化 ⑤再開カードで翌日へ。
【オンボ1SPテンプレ(コピペ可)】
名称:説明を2行に圧縮(Aha)
文言:<h2>3ステップで◯◯完了</h2><p>この画面で◯◯を選ぶだけ。後から変更OK。</p>
判定:Aha +◯pt / TTV中央値 -◯%(前後2週間・新規のみ)
非スコープ:外部連携/全面改修(変更窓24hで微修正)
追伸:成功トースト「◯◯の準備が完了しました」→再開カード固定
具体例:導線分岐を廃して“直着1本”にしただけで、TTVの分布が収束。中央値が目に見えて縮みました。
まとめ:Aha直結の2点に絞り、D1への橋を最低限で架ける。
3. ケースB:検索体験—該当到達率と到達TTVで“見つかった”を最短に
検索は“設定を増やすほど良い”と誤解されがちです。価値は「見つかった」にあります。最小差し替えは「候補の即表示/用語の置換/空検索の許容」の3点。該当到達率(新規)と到達TTV(中央値)で判定し、絞り込みの深追いはLaterに送ります。
要点:①候補3件の即表示 ②用語をユーザー語に置換 ③空検索を許容 ④到達TTVは分布併記 ⑤問い合わせ率を副指標に。
【検索1SPテンプレ(コピペ可)】
名称:候補3件の即表示(TTV)
仕様:入力開始0.3sで上位3件を表示、Enterで全件へ
用語:専門語「◯◯」→ユーザー語「◯◯」にラベル置換
判定:該当到達率 +◯pt / 到達TTV中央値 -◯%
副次:Aha関連問い合わせ率 +◯pt
具体例:検索条件を増やす代わりに“候補即表示”へ。平均では見えなかった短縮が、中央値でくっきり出ました。
まとめ:設定を増やさず“見つかった”を作る。指標は到達そのもの。
4. ケースC:通知運用—「1通・直着・抑制」で再開TTVを縮める
通知は“多ければ良い”の逆です。ユーザーの時間を奪わず、再開を最短にするのが本分。1通・直着(目的画面に直接)・抑制(達成済み/短期多投の抑制)で運用を固定します。本文は1行+1ボタン、導線は回遊なし。判定は再開TTVとD1です。
要点:①1通のみ ②回遊リンク禁止・直着 ③抑制条件を明記 ④再開TTVを副指標に ⑤D1で継続を確認。
【通知1SPテンプレ(コピペ可)】
件名:あと1分で◯◯が完了します
本文:いまなら1分で◯◯できます。<CTA>続きから再開</CTA>
導線:/resume?action=◯◯ (直着・回遊禁止)
抑制:達成済/24h内送信済/××回以上の多投は停止
判定:再開TTV -◯% / D1 +◯pt
具体例:“お知らせ”の羅列をやめ、1通・直着・抑制に統一した週から、再開TTVが沈み、D1が底上がりました。
まとめ:通知は“数”でなく“再開の速さ”。直着・抑制で品位を守る。
5. 運用:前後比較の撮り方と10分レビュー台本(撤退を称賛する)
良い運用は、撤退が速い運用です。1SPを2本だけ出し、前後2週間の比較で判定。色(緑/黄/赤)を冒頭で宣言し、論点は3つまで。Decisionと期限を言い切り、UI細部は変更窓で翌日までに直す。撤退は称賛し、次手に予算を振り替えます。
要点:①1SP×2で回す ②相対差分+中央値 ③色とDecisionを先出し ④変更窓24h ⑤撤退は称賛文化。
【10分レビュー台本(コピペ可)】
結論:Aha=緑 / TTV=黄 / D1=赤(線=説明2行→候補即表示→通知1通)
論点:1) 用語難 2) 分岐残り 3) 再開導線
決定:今週=導線1本化/直着通知(1SP×2) 〆◯/◯ 18:00(Decision PdM)
変更窓:UI細部は24h以内、軽微修正のみ
撤退:未達なら即停止、次手へ予算移動
具体例:“意見の読み合わせ”をやめ、台本で締めた回は10分で終了。翌週の実装が前倒しになり、数字が早く動きました。
まとめ:小さく当て、速く判定し、撤退を称賛する。これが脱出の筋です。
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FAQ
- Q. 数字が出にくい週はどう判定しますか?
- A. 相対差分(+◯pt/-%)+中央値に加え、成功トースト閲覧率や問い合わせ率などの代理指標を添えて止めずに回します。
- Q. 大粒タスクはどう扱う?
- A. 1SPに割れない限りLaterへ。割れた順に線へ戻し、前後2週間で判定します。
- Q. 1SPが積み上がりません。
- A. 「一画面・一差し替え・一目的」に戻してください。分岐や“ついで実装”は変更窓へ送ります。


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