「PRDが重くて、誰も最後まで読んでいない」──そんな場面を何度も見てきました。私がたどり着いた答えはシンプルです。
結論:PRDは“1枚”、しかも非スコープ→G/W/T→先行指標(Aha/TTV/翌日活性)の順で書けば、レビューは5分で終わります。
1. 原則:非スコープ→G/W/T→指標(ねらい→やり方→失敗と直し方)
ねらいは「誰が読んでも同じ結論に達する文書」。やり方は、やらないこと(非スコープ)を先に固定し、受入基準(G/W/T)を3×3で明文化、評価は先行指標に限定。失敗は“施策の説明書”を書くこと。直すには、説明は捨てて基準・差分・入替に集約します。
意思決定と価値づくりの両輪はここが基礎です。課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図で全体像がつながります。
PRD1枚セット(PDF)
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2. コピペ用:PRD1枚テンプレ(そのまま使えます)
見出し→短文→箇条書きの順。ここに書かれていないことは“やらない”が原則です。
【PRD 1枚テンプレ】
題名:◯◯オンボーディングのAha到達を最短化
目的:Aha(初回価値)↑ / TTV(到達時間)↓ / 翌日活性(D1)↑
非スコープ(今回やらない):
・SNSログイン/通知チューニング/多言語対応
受入基準(G/W/T×3):
G=必須:主ボタン1つ(動詞→所要)/所要明記(◯秒)/成功トーストに「続き」
W=望ましい:エンプティにサンプル3件/再開導線(1タップ)/プレースホルダに完成形
T=許容:後送OK/スキップ可/暫定値で保存可
評価指標(先行のみ):
・Aha:初回入力の保存完了(成功トースト表示)
・TTV:初回起動→保存までのP50/P95
・翌日活性:翌日再開率(再開導線クリック→翌日訪問)
入替ルール:
撤退=通知/継続=主ボタン/新規=再開導線
撤退条件:Aha +5pp未満 × TTV悪化 → 旧版へロールバック
3. 非スコープを先に書く理由と例文
「やらないこと」が曖昧だと、PRDは無限に肥大化します。先に線を引くと、議論は“基準の修正”に集中します。
- 例文:今回の改善は初回価値まで。認証と通知は非スコープ。既存フローの性能改善も非スコープ。
- 例文:翻訳は非スコープ。英語UIは自動翻訳のまま。品質議論は次フェーズ。
4. G/W/Tの作り方(現場で迷わない3×3)
基準は「画面を開いたメンバーが、同じ判断になる」粒度で書きます。抽象語(きれい・使いやすい)は禁止。
【G/W/T例】
G:主ボタン1つ/所要明記(◯秒)/成功トーストに「続き(30秒)」
W:サンプル3件/再開導線(1タップ)/“あとで”を残す
T:後送OK/スキップ可/暫定値保存
5. 指標は先行だけ:Aha/TTV/翌日活性
売上は遅行。毎日触れる指標に限定すると、議論が早くなります。定義は“UIの中”で一意に判定できる形に。
- Aha: 保存完了トースト表示
- TTV: 初回起動→保存までのP50/P95
- 翌日活性: 成功トースト「続き」クリック→翌日訪問
6. 5分レビューの台本(司会用)
説明の時間を削り、判断だけに寄せます。読み上げず、差分だけを提示してください。
[00:00-01:00] 目的の再読(Aha/TTV/D1)
[01:00-03:00] 差分提示:Aha +pp/TTV −分/D1 +pp
[03:00-04:00] 基準修正:G/W/Tのどれを直す?
[04:00-05:00] 入替宣言:撤退/継続/新規 → 5行ログへ
7. コピペ素材(Slack・チケット)
会議後の“書き”も短くします。以下をそのまま使ってください。
【Slack定型文】
目的:◯◯のAha/TTV/D1を動かす
差分:Aha +pp/TTV −分/D1 +pp
基準:G/W/T修正=◯◯、非スコープ=◯◯
入替:撤退=◯◯/継続=◯◯/新規=◯◯(次回◯/◯)
【チケット雛形】
題名:オンボーディングのAha短縮(主ボタン統一)
受入基準:G=主ボタン1つ/所要明記/成功トースト「続き」
指標:Aha達成率/TTV P50/P95/D1
入替:撤退/継続/新規(撤退条件=Aha +5pp未満×TTV悪化)
8. ありがちな失敗→即直す方法
会議で「それって本当に必要?」が続くときは、PRDの粒度がズレています。次の置き換えで一気に締まります。
- 長文の説明→非スコープを先に1行
- “わかりやすく”などの抽象語→G/W/Tの行動基準
- 成功後の“無音”→成功トーストに「続き」リンク
9. 今日からのチェックリスト(30秒)
- 非スコープを先頭に1行で書いたか
- G/W/T×3で“行動可能”に定義したか
- 指標はAha/TTV/翌日活性の3点だけか
- 撤退条件(Aha +5pp未満×TTV悪化)を明記したか
FAQ
- Q. 実数を出せません。相対(+pp/−分)だけで弱くない?
- A. 再現性の証拠は“入替の痕跡”。5行ログがあれば十分に評価されます。
- Q. 5分ではレビューしきれないのでは?
- A. 説明をやめ、差分と基準の修正に限定すれば足ります。詳述は別紙へ逃がしてください。
- Q. ABテストを同時に走らせたいです。
- A. 優先は順番です。主ボタン→再開導線→通知の順で1つずつ入替えましょう。
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