結論:優先順位はRICEの点数ではなく「誰のAhaをどれだけ速く(TTV)翌日に続かせる(D1)か」という“価値線”で決めるのが最短です。
点数の綺麗さに頼るほど、意思決定は遅くなります。PdMのマネージャーとしての現場解は、Aha→TTV→D1へ直結する施策を最小粒度(1SP)に割り、前後2週間で判定できる順に並べること。本文は“罠”の洗い出し→是正テンプレ→合意の台本まで、即コピペで使える形にまとめました。
意思決定と価値づくりの両輪はここが基礎です。課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図で全体像がつながります。
1. よくある“罠”:RICEが強すぎて現場が弱くなる瞬間
点数は便利ですが、手触りが薄くなると空中戦に。Reachの母数がバラバラ、Impactが主観、Confidenceが希望的観測、Effortが“ふわっと”倍化——この組み合わせで順序が壊れます。まずはAha/TTV/D1に効くかで粗く3色(緑/黄/赤)に分け、RICEは“同点の最終調整”に下げる運用が有効です。
要点:①価値線に効くかが一次判定 ②RICEは同点の並び替え ③中央値でTTVを見る ④分岐残りは黄信号 ⑤Non-Goalで膨張を止める。
【RICEの罠→是正(コピペ可)】
Reach:分母がバラバラ → 新規セグメントで固定
Impact:主観語 → Aha/TTV/D1の差分文に置換
Confidence:願望 → 前後2週で判定できる証拠の有無
Effort:ざっくり倍 → 1SP(最小差し替え)に分割して見積もる
具体例:検索条件追加が高点だった案件を“候補3件の即表示+説明2行”に分割。価値線に直結したため着手順が逆転しました。
まとめ:点数は最後。一次判定は“価値線”で切る。
2. “価値線”テンプレ:Aha→TTV→D1で順序が自動で決まる
価値線は評価軸の翻訳装置です。誰のAhaか→到達の速さ(TTV中央値)→翌日継続(D1)へどう繋がるかを一文で書き、各施策を1SPに割って線の上に並べます。線上に無い施策(色や装飾など)は変更窓に送るだけで、会議は短くなります。
要点:①Ahaは“できた”の一文 ②TTVは中央値で ③D1は再開TTVを副指標に ④1SPへ分割 ⑤線外は変更窓24hへ。
【価値線テンプレ(コピペ可)】
O:新規◯◯が「30秒で◯◯できた」
線:Aha到達率↑ → TTV中央値↓ → D1↑(副:再開TTV↓)
順:説明2行 → 導線1本化 → 成功トースト → 再開カード → 通知“1通・直着・抑制”
具体例:オンボで“動画チュートリアル”より“説明2行+候補即表示”が先行。Aha寄与が明確で、成果の立ち上がりが早まりました。
まとめ:線に並べるだけで順序が見える。直感合戦を終わらせる。
3. 1SP(最小差し替え)の割り方:分岐を潰して検証速度を上げる
大粒タスクは見積り誤差が大きく、RICEのEが暴れます。文言2行化・導線1本化・成功トースト・“通知1通・直着・抑制”など、価値線に直結する要素だけを1SPに切り出すのがコツ。分岐が残るほどTTVの分布が広がるため、先に分岐潰しを優先します。
要点:①1SP=1画面1差し替え ②分岐削減を先に ③平均でなく中央値 ④副次KPI(トースト閲覧/問い合わせ率)で補強 ⑤前後2週間で判定。
【1SP切り出しチェック(コピペ可)】
- 施策は1文で言えるか(例:説明を2行に圧縮)
- Aha/TTV/D1のどれに効くか明示したか
- 分岐(if)は増やしていないか
- 前後スクショを撮れるか
具体例:“検索条件見直し”を1SP×3に分割(用語置換/候補即表示/導線1本化)。TTV分布が収束し、D1へ波及しました。
まとめ:割り方が速度を決める。分岐を減らし、検証を回す。
4. 合意の台本:結論→論点3つ→Decision→変更窓24h
順序は“決める場”で確定させます。冒頭に色(緑/黄/赤)と価値線の位置を読み上げ、論点は3つに限定。Decision(誰が締めるか)と変更窓を宣言し、1SPの順序に落とし込みます。RICEは最後の並び替えにだけ使います。
要点:①色判定を先に ②論点は3つ ③Decision先出し ④変更窓24h ⑤RICEは最後。
【10分台本(コピペ可)】
結論:価値線=説明2行→導線1本化→トースト→通知
論点:1) 分岐残り 2) 再開TTV 3) 非スコープ
決定:今週=説明2行/導線1本化(1SP×2)
変更窓:UI細部は24hで軽微修正
具体例:“みんなの意見”を並べていた会議が、台本化で10分に短縮。実装が前倒しになりました。
まとめ:台本で締める。決め方を固定すると速度が出る。
5. ダッシュボード運用:毎朝の一枚画像で“見る→決める”を習慣化
良い優先順位は、良い習慣から。Aha到達率/TTV中央値/D1の一枚画像を毎朝Slackへ自動投稿し、週次は価値線の位置で色判定。数字が弱い週は代理指標(トースト閲覧率/問い合わせ率)で止めずに進めます。
要点:①自動投稿 ②色判定 ③代理指標で継続 ④分布を見る ⑤新規と既存を分ける。
【Slack文面(コピペ可)】
#auto 09:00 KPI面更新(Aha/TTV/D1)
色:Aha=緑 / TTV=黄 / D1=赤
今週:説明2行→導線1本化(1SP×2)/Decision PdM、変更窓24h
具体例:自動配信の翌週から“読み合わせ会”が消え、順序の議論が5分で終わるようになりました。
まとめ:習慣が順序を守る。毎朝の一枚が最強の潤滑油です。
有料note(特典あり)
テンプレは下記にまとまっています(特典PDF2点:PdMスキルテンプレ集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. RICEは使わない方が良い?
- A. 使います。ただし“最後の並び替え専用”。一次判定は価値線(Aha→TTV→D1)で行います。
- Q. 定量が薄い週はどうする?
- A. 代理指標(成功トースト閲覧率/問い合わせ率)+定性n=5で意思決定を止めません。
- Q. 現場からの“やりたい”が多い時は?
- A. 線外の提案は変更窓へ。1SPに割れない案は今はやらない、が原則です。


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