結論:ビルドトラップは「Aha→TTV→翌日活性(D1)」の3点で“価値の線”を作り、PRDと計測を最小構成に直せば抜け出せます。
「作ってるのに前に進んでる感じがしない…」。夜の定例、私はPdMのマネージャーとして、まず「今週は数字の線だけで話そう」と切り出します。Aha=初回価値に届いたか、TTV=そこまで何分かかったか、D1=翌日に戻って何をしたか。機能名や工数の話を棚上げし、この3点で語るだけで、会議は静まり、意思決定が動き始めます。
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
1. 兆候を特定する:指標なき開発の「5つのサイン」を拾う
会話が機能名と工数で埋まる、週次レポートがページビュー止まり、レビューが1時間超え、ダッシュボードが散らかる、撤退の言葉が出ない——これが典型的なサインです。まずは現状を事実で掴み、Aha/TTV/D1の線を置く土台を作ります。
要点:①発言ログを拾って“機能語”を可視化 ②週次資料からPV/UU以外の指標の有無を確認 ③会議時間と決定数の比率 ④ダッシュボードのカード数 ⑤撤退判断の記録有無。具体例:「説明ページの改善」が3週続いた案件で、指標がPVのみだったため、Ahaが定義されず意思決定が空転していた。
【チェックリスト(コピペ可)】
- 先週のレビュー:決定◯件/60分を超えた?
- ダッシュボード:カードは3枚以内?(Aha/TTV中央値/D1)
- レポート:PV/UU以外の価値指標がある?
- 直近の撤退判断:文言が残っている?
- Slack:機能名でなく行動語で話せている?
まとめ:まず“今の会話が何語か”を掴む。見えたら直せる。
2. 価値の線を宣言:O=一文、KR=3本(Aha/TTV/D1)に固定
ここでOKRの骨格を入れます。Objectiveは「誰が何をできたか(Aha)」の一文に圧縮。Key ResultsはAha到達率↑/TTV中央値↓/D1↑の3本で固定します。これが“価値の線”。以後の会話はこの線上でのみ許可します。
要点:①Oは行動の一文 ②KRは相対差分で記述 ③対象はnew優先 ④判定は前後2週間 ⑤撤退条件も同じ紙に。具体例:「新規◯◯が30秒で完了」のOに対し、KRを「Aha+8pt/TTV中央値-20%/D1+5pt」に固定。議論が一気に短くなった。
【PRD一枚:Metrics断片(貼替OK)】
Goal:newが「◯◯できた」(Aha)
Metrics:Aha +◯pt/TTV中央値 -◯%/D1 +◯pt(前後2週/new)
撤退:未達は施策Bへ切替(合意ログに記録)
変更窓:UI細部は24hの軽微修正を許容
まとめ:線を先に敷く。数字は線に乗せるだけ。
3. 計測を最小化:イベントは“できた一発”+TTVラインだけ
指標を増やすほど、現場は迷子になります。Ahaは「できた」の一発で撮り、TTVは起点と終点を決めて中央値で握るだけ。閲覧や滞在は代理指標に留めます。あとは命名と対象(new/既存)を揃えるだけで十分です。
要点:①Aha=aha_completed ②TTV= intent_shown→aha_completed ③中央値で外れ値に強く ④newで切り出す ⑤再開TTVを副指標に。具体例:動画視聴完了をAhaにしていたチームを「初回設定完了」に変更、TTVの裾が短くなり、翌週のD1で差分が立った。
【計測テンプレ(コピペ可)】
event: aha_completed
start: intent_shown(◯◯画面表示)
end : aha_completed
metric: median(ttv_seconds) / aha_rate(%) / d1(%)
target: new(初回〜7日) / 判定:前後2週間 相対差分
まとめ:イベントは最小が正義。Aha一発とTTVラインで足りる。
4. 10分レビューで回す:台本→1SP→合意ログ
“指標なき会議”は長くなります。10分台本で読む順番を固定し、1SP(1〜2日)単位の施策に切って、その場で決めて動きます。資料は前後1枚×3(Aha/TTV中央値/D1)だけをSlackに直着。回遊リンクは禁止です。
要点:①結論先出し ②論点3つまで ③決定は1SP×2 ④変更窓24h ⑤合意ログは一行。具体例:「説明を2行に」「導線を1本に」を同週で実行、金曜18時に前後比較で判定。翌週のAhaが+6pt。
【10分レビュー台本(丸読みOK)】
結論:今週はTTVの裾を締める(説明2行/導線1本)
論点:用語難/分岐/再開導線
決定:1SP×2を本日着手、金曜18時に前後比較で判定
変更窓:UI細部は24hの軽微修正を許容
合意ログ:Decision/期限/変更窓 を一行で記録
まとめ:会議は“読む→決める→動く”。10分で終わらせる。
5. 2週間で解毒する:実行順と撤退の条件をあらかじめ書く
改善を続けても差分が立たない時、悪いのは人ではなく順番です。2週間を“前後比較の単位”にして、施策順と撤退条件を先に決めます。撤退は恥ではなく“速度の維持”。これをPRDの同じ紙に書いておけば、迷いません。
要点:①Week1=TTV短縮(説明2行/導線1本)②Week2=D1再開体験(再開カード/通知1通・直着・抑制)③未達は施策Bへ④判定は中央値⑤Slackで一行合意。具体例:通知を増やす前に再開カードを先に入れてD1を底上げ、通知は抑制条件付きで最小化。
【2週間プラン(Slack用テンプレ)】
W1:説明2行+導線1本(1SP×2)→ TTV中央値 -◯%
W2:再開カード導入(1SP)→ D1 +◯pt(副:再開TTV -◯%)
撤退:未達→施策B(候補即表示/文言差し替え)へ切替
判定:毎金曜18:00、前後2週間の中央値/相対差分
まとめ:順番を決めてから打つ。撤退条件は紙に残す。
有料note(特典あり)
ビルドトラップを抜けるPRD/計測/レビューの一式は下記にまとまっています(特典PDF2点:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 実数が出せません。相対差分だけで回せますか?
- A. 回せます。Aha率/TTV中央値/D1の前後差と前提(new/前後2週)を明記すれば十分です。
- Q. 指標が複数プロダクトでバラバラです。
- A. 命名と対象を統一し、まず1枚ダッシュボード(Aha/TTV中央値/D1)に寄せてください。詳細は別ページへ外出し。
- Q. 通知でD1を押し上げるのは悪ですか?
- A. 量ではなく“再開体験”。通知は1通・直着・抑制で、再開TTVを副指標にしてください。


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