結論:30-60-90は「Ahaの定義と計測→TTV(中央値)短縮→D1(翌日活性)定着」の“価値の線”で並べると最短で成果が出ます。
初出社の朝。情報は多いのに、どこから価値を動かせば良いか迷う——そんなとき私はPdMのマネージャーとして、最初の90日を“線”に畳みます。1ヶ月目はAhaの定義と計測、2ヶ月目はTTVの裾を締める小改善、3ヶ月目は翌日再開を促す体験と運用の定着。この順でやれば、チームは意思決定が速くなり、任せられる人として見られます。
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
1. 0〜30日:Ahaを定義し“測れる線”を作る(ダッシュボード最小3点)
最初の30日は「現状の価値線を測れるか」の確認から始めます。Aha(初回価値)の一文定義、TTV(Aha到達までの時間)は中央値で握る、D1(翌日活性)はnew対象で見る——この3点が揃えば、以降の議論がすべて短くなります。実装は後回しで良いので、命名・対象・期間の共通言語を先に固めましょう。スクショとイベント最小化が“合意の証拠”になります。
要点:Ahaは“できた”の事実で1イベント化/TTVはintent→Ahaの秒数中央値/D1は翌日の再開率+再開TTVを副指標/命名と対象(new/既存)を固定/前後2週間の相対差分のみで評価。
具体例:オンボ導線が長いプロダクトでは「Aha=初回設定完了」「start=intent_shown/end=aha_completed」の2点だけで開始します。
【0〜30日 台本(コピペ可)】
W1:現状KPI棚卸し/Aha一文定義/計測の命名合意
W2:イベント最小(intent_shown/aha_completed)で実装確認
W3:ダッシュボード1枚(Aha率/TTV中央値/D1)を作成
W4:10分レビュー開始(結論→論点→決定→変更窓→合意ログ)
判定:数値は相対差分のみ。前後2週間/対象=new
まとめ:まず“測れる線”を作る。Aha/TTV/D1の共通言語が土台です。
2. 31〜60日:TTVの“裾”を締める1SP小改善を連射(説明2行+導線1本)
2ヶ月目はスピード勝負。TTVの分布(箱ひげ)を週次で見て、右に長い裾を短くする小改善を1SP(1〜2日)で連射します。最初に効くのは、説明を2行に削る・導線を1本化する・候補即表示の3兄弟。A/Bよりも前後比較で早く判断し、未達は称賛して撤退。レビューは10分台本で回し、UI細部は変更窓24hで現場裁量にします。
要点:中央値で判定/1SP×2を同時進行/前後スクショ必須/戻る率が高いUIは非表示に/CS問い合わせの文面も短文化。
具体例:チュートリアル動画をやめ、要点2行+“いますぐ始める”に置換→TTV中央値-20%→翌週Ahaが+8pt。
【1SPバックログ雛形(貼替用)】
#001 説明2行化(TTV-20%狙い)
#002 導線1本化(戻る率-30%狙い)
#003 候補即表示(入力時間-40%狙い)
計測:intent_shown→aha_completed(秒)
判定:前後2週間/中央値/対象=new
まとめ:TTVは“秒”で詰める。1SP連射と中央値でスピードを守る。
3. 61〜90日:D1(翌日活性)を固める—再開TTVと“翌日カード”で定着
3ヶ月目は“戻って何をしたか”を作り込みます。通知の多投で錯覚させず、再開TTV(翌日の再開までの時間)を副指標に据え、ホーム最上段に“翌日カード”を配置。new体験に紐づくToDoや続きの導線を1タップで再開できるようにします。CS定性から不安文言を差し替え、抑制条件をPRDに明記して運用します。
要点:D1はnew対象に限定/体験別で見る(チャネル別にしない)/通知は“1通・直着・抑制”/再開TTVで成否を判定/撤退基準をPRDに。
具体例:メール1通+ホームの“昨日の続き”カードでD1+5pt、再開TTV-30%を達成。
【D1運用テンプレ(コピペ可)】
施策:翌日カード(続き/ToDo)+メール1通(直着)
指標:D1(%)/副=再開TTV(分)
抑制:連続開封・同一行動は通知停止
PRD:撤退基準=D1未達×2週で施策Bへ切替
まとめ:D1は“戻ってすぐ続けられる”設計で固める。再開TTVが鍵。
4. レビュー運用とPRD一枚化:10分で決めて“変更窓24h”で前進
数字が整っても、運用が重いと進みません。週次レビューは10分で、「結論→論点→決定→変更窓→合意ログ」の読み上げ式に固定。PRDは一枚化し、Goal/Why/Scope/Trade-off/Metrics(Aha/TTV/D1)/撤退/変更窓の順に。資料は前後一枚×3(Aha/TTV中央値/D1)だけをSlackに直着させ、関係者の認知コストを最小化します。
要点:命名と最新版ルール/前後比較だけを見る/重い議論は“後送”に切り出す/合意ログは1行で残す/中断せずに1SPへ着手。
具体例:命名規則と直着の徹底で“どの数字を見るか”迷子が消え、実装が前倒しに。
【10分レビュー台本(読み上げ可)】
結論:Aha=黄/TTV=赤/D1=黄 → 1SP×2(説明2行/導線1本)
論点:用語難/分岐/再開導線
決定:本日着手。金曜18:00に前後2週間・中央値で判定
変更窓:UI細部は24h軽微修正を許容
合意ログ:Decision/期限/変更窓 を一行で記録
まとめ:台本と一枚PRDで“速さ”を仕組みにする。会議は軽く短く。
5. 提出物と合意形成:採用〜配属の“期待合わせ”を一枚で終わらせる
30-60-90は提出物の質で成否が決まります。面接〜入社時は、Aha/TTV/D1の前後図とPRD一枚、30-60-90のロードマップを1ページにまとめ、メールで“直着”。ファイル名とバージョンを日付で管理し、最新版以外は送らないルールを徹底します。ステークホルダーの“窓”と撤退条件も記載して、期待のズレを先に潰します。
要点:1ページで価値線の差分を見せる/Scope(自分が握る面)を一行/スポンサー合意を先に取る/OKRに接続/変更窓と撤退を明記。
具体例:査定前レビューで目次を合意し、提出時の読み合わせだけで承認を取得。
【提出テンプレ(コピペ可)】
1. 30-60-90サマリ(Aha/TTV中央値/D1の狙い)
2. 前後図(各1枚)/PRD一枚(Goal〜変更窓)
3. ステークホルダーと合意窓/撤退基準
命名:plan_30-60-90_vYYMMDD.pdf(最新版のみ共有)
まとめ:提出物は“1ページ・最新版・直着”。合意は先に作る。
有料note(特典あり)
30-60-90の雛形、PRD一枚テンプレ、10分レビュー台本は下記にまとまっています(特典PDF:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 実数が出せません。評価は取れますか?
- A. 取れます。相対差分(+◯pt/-◯%)と中央値、前後2週間・対象=newで運用すれば十分です。
- Q. A/Bはやらないの?
- A. まずは前後比較で“秒”を取りに行きます。効果が安定したらA/Bで精緻化が安全です。
- Q. 大規模案件にもこの型は使える?
- A. 使えます。フェーズごとにPRD“一枚”を作り直し、変更窓と撤退基準を各フェーズに置けば速度を保てます。


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