結論:A/Bテストが増えすぎたら「前後比較+中央値」でAha/TTV/D1の線に戻すと、決めるのが一気に速くなります。
週次レビュー。実験表がずらり、結局「次週にもう1本」で終わる——。私はPdMのマネージャーとして、まず検証方式を前後比較に畳みます。Aha(できた)→TTV(何分)→D1(翌日の再開)。この3点の前後差だけで判定すれば、1SP(1〜2日)で意思決定できます。
意思決定と価値づくりの両輪はここが基礎です。KPI設計と運用ガイドで線の読み方を押さえてください。
1. なぜA/B過多になるか:速度と学習が逆転している
(導入)A/Bは強力ですが、前提を満たさないと“結論先送り装置”になります。母集団不足/検定力不足/多重比較/起点終点のズレ——。結果は出ないのに時間だけ進む。価値の線に戻し、まずは前後比較で速度を取り返します。
要点:①Aha/TTV/D1に結び直す ②中央値で裾の改善を捉える ③代理指標は脚注に逃がす ④new中心で評価 ⑤2週間で判定。
【A/B過多セルフチェック(コピペ可)】
- 判定指標がPV/滞在でAhaが無い
- TTVが平均で、裾の悪化を拾えていない
- 検定力不足(母数/期間)が続いている
- 3本以上の多重比較で結論が揺れている
→ 1つでも該当なら前後比較に切替
具体例:オンボ文言の細分化テストをやめ、説明2行化の前後比較に切替→TTV中央値-18%で即採用。まとめ:速度を取り戻す。
2. 前後比較の設計:対象new/前後2週/中央値の3点固定
(導入)前後比較は“仕様”で勝負が決まります。対象はnew、判定は前後2週間、統計値は中央値。これだけで外れ値に強く、学習速度が上がります。
要点:①起点=intent_shown ②終点=aha_completed ③再開TTVを副指標 ④差分は相対(+pt/-%) ⑤撤退条件を先に書く。
【計測テンプレ(貼替OK)】
Aha:aha_completed(%)/対象=new/前後2週
TTV:median(intent_shown→aha_completed)(秒)
D1 :day1_active/new_users(%)副=再開TTV(秒)
判定:金曜18時/相対差分のみ
具体例:導線1本化の前後で、TTV p90が短縮→翌週Aha+6pt。まとめ:仕様の固定が勝ち筋。
3. “いつA/Bが要るか”の基準:切らない条件を明文化
(導入)A/Bはゼロにはしません。意思決定が高価で、効果が拮抗し、母数と期間が十分な場合に限定します。基準を紙に出しておくと、会議が揺れません。
要点:①切替コスト大(インフラ/法務/収益)②差分が僅少で前後比較が不十分 ③1週間で有意に届く母数あり ④偽陽性リスク管理。
【A/B実施基準カード(コピペ可)】
- 高コストの恒久変更か?
- 効果が拮抗(±3pt以内)しているか?
- 1週間で十分な検定力があるか?
- 代替の前後比較では足りないか?
具体例:価格改定はA/B対象、オンボ文言は前後で十分。まとめ:A/Bは“例外の道具”。
4. PRD断片:10分レビューで決め切る構成
(導入)紙が重いと元に戻ります。PRDは一枚化し、前後比較の仕様と撤退基準を先に置きます。レビューは10分読み上げ→1SP×2に割付→合意ログ一行で終了。
要点:Goal=“newが◯◯を30秒で完了”/Metrics=Aha+◯pt/TTV中央値-◯%/D1+◯pt/撤退=未達→施策B/変更窓=UI細部24h。
【PRD一枚:Metrics断片(貼替OK)】
Goal:newが◯◯を30秒で完了(Aha)
Metrics:Aha +◯pt/TTV中央値 -◯%/D1 +◯pt
撤退:未達→施策Bへ切替(合意ログ記録)
変更窓:UI細部は24hの軽微修正を許容
具体例:当日「説明2行/導線1本」を着手、翌週判定。まとめ:紙が軽いと速い。
5. 運用台本:前後比較→横展開までの7手順
(導入)やり切って終わりにしないために、判定→横展開までを台本で固定します。Slack直貼り・回遊禁止・毎金曜18時の判定がポイント。
要点:①前後1枚×3を直貼り ②論点は3つまで ③1SP×2で当日着手 ④判定は中央値 ⑤成功は横展開、未達は撤退。
【7手順(丸読みOK)】
1) 仮説:説明2行/導線1本
2) 仕様:対象new/前後2週/中央値
3) 着手:1SP×2 当日
4) 判定:金曜18時(相対差分)
5) 合意:Decision/期限/変更窓を一行で
6) 横展:成功=類似面へテンプレ展開
7) 撤退:未達=施策Bへ即切替
具体例:成功面をテンプレ化し、翌月OKRに昇格。まとめ:台本で速度を守る。
有料note(特典あり)
検証テンプレとレビュー台本は下記にまとまっています(特典PDF2点:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. どうしてもA/Bの結果が出ません。
- A. 前後比較に戻し、対象new/前後2週/中央値で判定を。効果が拮抗している高コスト変更のみA/Bに残します。
- Q. 売上で判定してよい?
- A. 遅行です。まずAha/TTV/D1の前後差で判定し、売上はAppendixに外出しで追います。
- Q. 通知増加でD1を上げるのは?
- A. 量ではなく再開体験。通知は1通・直着・抑制、再開TTVを副指標にしてください。


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