結論:優先順位は「価値差分の期待値×信頼度÷実装時間」で決めると、声の大きさや政治から解放されます。
「どれから作る?」が揉めるのは、“良さそう”の競争になっているから。私はPdMのマネージャーとして、Aha→TTV→翌日活性(D1)の“価値の線”に効く差分だけを点数化し、実装時間で割る「価値ICE」を使います。数分で序列が出て、週次の合意は10分で終わります。
意思決定と価値づくりの両輪はここが基礎です。課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図で全体像がつながります。
1. 価値ICEの考え方:差分期待値×信頼度÷実装時間(1SP基準)
導入(200〜300字):“出荷数”ではなく“価値の差分”で並べ替えるために、ICEを価値線に合わせて再定義します。ImpactはAha/TTV/D1の相対差分、Confidenceは根拠の厚み(定性+前後スクショ+過去の再現性)、Effortは1SP(1〜2日)を最小単位に。Impactは三点合成で、重みはプロダクトの局所最適に合わせて可変。秒を詰める施策はTTV寄り、再開を作る施策はD1寄りに置くのがコツです。
要点:Impact={Aha +◯pt, TTV -◯%, D1 +◯pt}の合成/Confidenceは0.3〜0.9で控えめに/Effortは日ではなく“1SPの個数”で記録/比較は前後2週間・new対象/実数は不要。
具体例:「説明2行化」はTTV -20%期待、D1への波及は小。ImpactをTTV寄りで合成します。
【価値ICEの式(コピペ可)】
Impact = wAha*(ΔAha_pt) + wTTV*(|ΔTTV_%|) + wD1*(ΔD1_pt)
Score = (Impact × Confidence) ÷ Effort_SP
初期重み例:wAha=0.4 / wTTV=0.4 / wD1=0.2(オンボ面)
対象:new/判定:前後2週間/中央値
まとめ:価値ICEは“秒と戻り”に効く施策を上へ押し上げます。
2. スコアリングの実装:表1枚で並ぶ(列テンプレ+入力ルール)
導入(200〜300字):会議が長引くのは、根拠がメモ散在だから。表1枚に“貼れる粒度”で整えます。列は仮説→差分→根拠→工数→Scoreの順。差分は必ず相対値、根拠は定性(阻害:用語難/分岐/入力)+前後スクショの有無でConfidenceを機械的に置く。Effortは“1SP=1”の個数で、3を超えたら施策分割します。
要点:列は固定/自由記述は減らす/Confidenceは段階(0.3/0.5/0.7/0.9)/Effortは整数/Scoreで自動ソート。
具体例:「候補即表示」はΔTTV 15%、Conf=0.7、Effort=1SPでScoreが高く、上位にきやすいです。
【価値ICE表(スプレッドシート列)】
ID | 施策仮説 | ΔAha_pt | ΔTTV_% | ΔD1_pt | Conf(0.3/0.5/0.7/0.9) | Effort_SP | Score
備考:根拠=定性要点/前後スクショ有無、判定=前後2週×中央値、対象=new
計算:Score = (0.4*ΔAha + 0.4*abs(ΔTTV) + 0.2*ΔD1) * Conf / Effort_SP
まとめ:列テンプレだけで“話す前に並ぶ”。重たい企画は最初から下がります。
3. レビュー運用:週次10分で“上位2つだけ”を決める(Slack文面つき)
導入(200〜300字):意思決定は“数を減らす”ほど速くなります。週次は上位2つだけ採択し、残りは来週に回す。ここで効くのが読み上げ台本と決定ログのフォーマットです。合意はその場でSlack直着、UI細部は変更窓24hで現場裁量に。争点は“価値線の差分”から外へ出さないのが鉄則です。
要点:序列は表で決まる/会議は台本で10分/合意ログは一行/変更窓で速さを守る/撤退基準は採択時に宣言。
具体例:「説明2行化(Score=0.56)/導線1本(0.48)」の2件で今週は閉じます。
【週次10分レビュー(読み上げ&Slack直着)】
結論:上位2=#001 説明2行化、#003 導線1本化 を今週採択
根拠:Score=0.56/0.48(対象=new/前後2週×中央値)
決定:本日着手。金曜18:00に前後判定、未達は撤退
変更窓:UI軽微修正は24hで現場裁量
合意ログ:[Decision][期限][変更窓] を一行で記録
まとめ:決めるのは“2つだけ”。増やさないことが速度を生みます。
4. PRD一枚に落とす:Goal=Aha一文、撤退と変更窓を先に書く
導入(200〜300字):順位が決まっても、PRDが重いと失速します。PRDは“一枚”。GoalはAhaの行動文に、Whyは阻害の事実、Scope/Non-Goalsで境界を引き、MetricsはAha/TTV中央値/D1の三点に固定。撤退基準(KR未達×2週)と変更窓(24h)を先に書き、合意を10分で締めます。
要点:Goalは誰が何を“できた”か/ScopeはUI軽微の小粒に限定/Trade-off(情報量↓/自由度↓)を宣言/PRDは最新版のみ共有/提出は前後スクショ×2+PRD一枚。
具体例:オンボ面の「候補即表示」PRDで、Scopeは“候補3件を即出す/説明は2行”に限定しました。
【PRD一枚 断片(貼り替え可)】
Goal:newが「◯◯を30秒で完了」(Aha)
Why :用語難/分岐でTTVの裾が長い(定性・行動ログ)
Scope:説明2行化/導線1本化/候補即表示(UI軽微)
Non-Goals:全面改修/新規分岐追加
Metrics:Aha +◯pt/TTV中央値 -◯%/D1 +◯pt(前後2週/new)
撤退:KR未達が連続2週→施策Bへ切替
変更窓:UI細部は24h軽微修正を許容
まとめ:PRDは“合意の器”。小さく書くほど速くなります。
5. ケース比較:動画チュートリアル追加 vs. 説明2行化(どちらが先?)
導入(200〜300字):よくある論争です。動画は“わかりやすさ”が増した気がしますが、TTVの裾は伸びがち。一方、説明2行化はTTVの中央値に直で効きます。価値ICEで並べると、前者はEffortが重くConfも低め、後者は軽く再現性が高い——先に当てるべきは後者です。
要点:動画はΔTTVの符号が不確実/Effort>2SPで分割対象/説明2行化はΔTTVが安定/Ahaへの波及が翌週に出やすい/D1は“翌日カード”の方が効きやすい。
具体例:動画(ΔAha+2pt/ΔTTV+?%/Conf=0.3/Effort=3)より、説明2行化(ΔAha+4pt/ΔTTV-20%/Conf=0.7/Effort=1)が上位。
【価値ICEスコア比較(例)】
#010 動画チュートリアル
ΔAha=+2 / ΔTTV=不確実 / ΔD1=+1 / Conf=0.3 / Effort=3SP → Score低
#001 説明2行化
ΔAha=+4 / ΔTTV=-20% / ΔD1=+1 / Conf=0.7 / Effort=1SP → Score高
まとめ:数字に直で効く“小手先”が先。重い改善は後送で勝ち筋が出ます。
有料note(特典あり)
価値ICEテンプレ(スプレッドシート)とPRD一枚の具体例、週次10分レビュー台本は下記にまとまっています(特典PDF:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 重み(wAha/wTTV/wD1)は固定ですか?
- A. フェーズと面で調整します。オンボ導線はTTV寄り、定着フェーズはD1寄り。四半期ごとに見直すのが安全です。
- Q. 実数を出せないと説得力が落ちませんか?
- A. 相対差分(+pt/-%)と中央値、前後2週間・対象=newで十分です。再現性と速度を優先しましょう。
- Q. 大型刷新はいつ取り上げるべき?
- A. 価値ICEの上位に“小粒”が並ぶ間は後送。小粒で学んだ知見を前提に、PRDを分割して段階実装が無難です。


コメント