Ahaを見直してからCVRが上がるまでのリアル7日間|数字の裏にある“納得の体験”を作る
「Ahaが悪いわけじゃない。でも、ユーザーが“続かない”んです」
初日のミーティングでCSの一言に違和感を覚えた。数値上はAha到達率70%。にもかかわらず、無料登録ユーザーの有料転換率は伸びない。なぜだろう──そこから始まった7日間の記録です。
1日目:違和感の正体
定例ミーティング。ダッシュボードの数字は一見順調。
Ahaは「無料登録後、最初の自動レポートが生成された瞬間」と定義していた。
ただし、ユーザーは“それで完結”してしまう。
CSからの声が刺さった。
「初回の自動レポートには満足してるんですが、“次に何をすればいいか分からない”と言われるんです」
つまり、Ahaが価値のピークになっており、継続利用に繋がっていなかった。
2日目:Aha定義を疑う
Miroボードに仮説を書き出した。
現行Aha:「登録→自動レポートが表示される」
新仮説Aha:「翌週もレポートが自動生成される安心を感じる」
これにより、Ahaを「初回成果」から「継続する価値実感」へとシフトする。
ユーザーは一度の成功より、“次も成功できる確信”を求めていると気づいた。
3日目:定性調査で“声”を拾う
5名のユーザーへヒアリングを実施。質問はすべてオープン。
「なぜ翌週に使わなかったのか?」
最も多かった答えは「初回の結果で満足した」「次も同じことをする理由がなかった」。
この瞬間、確信した。
“Ahaが終点ではなく、次の期待を生む起点でなければならない”。
4日目:定量で仮説を検証
GAで行動データを確認。初回利用まではスムーズだが、2回目以降の訪問率が急落している。
つまり、「初回のAha体験で一旦燃え尽きている」状態。
CSチームと議論し、完了画面のコピーを変更することにした。
変更前:「レポートが作成されました」
変更後:「このレポートは翌週も自動で更新されます」
ユーザーの“次の行動”を明示することを意識した。
5日目:ナッジの実装
開発チームと協力し、アプリ内に1クリックナッジを実装。
「前回の自動レポートが更新されました。今週も同じ成果を確認しますか?」
メッセージは短くても“継続の利益”を感じられることを最優先に。
言葉の細部が体験の意味を決めると再確認した。
6日目:データの変化
GA4を確認すると、Aha到達率はほぼ横ばい。
しかし、有料転換率(CVR)が+4.2pt上昇。
SlackにはCSから「ユーザーが“次の週も使う”と言い出した」と報告。
数字よりも、言葉の変化が嬉しかった。
7日目:Ahaは“体験の約束”だった
最終日のチーム定例。私はこう伝えた。
「Ahaは機能のゴールではなく、ユーザーとの約束です。
“また使いたい”と思える瞬間こそがAhaなんです」
メンバーの表情が変わった。
この週、CVRは前週比+6.8pt。Aha再定義は、チームの視点まで変えた。
まとめ:数字の裏にある“納得の体験”
多くのPdMがAhaを「最初の成功体験」と定義する。
しかし実際は、その“先”にこそ真の価値がある。
無料登録70%が到達しても、有料転換に繋がらないのは自然なこと。
ユーザーが“継続できる安心”を感じられなければ、行動は続かない。
Aha再定義は、プロダクトの設計思想そのものを変える。
数字ではなく、人の納得から逆算する。それが、CVRを動かす最短ルートだった。
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