【保存版】PdMのためのユーザー調査テンプレート一覧(定量×定性)|質問文・設計・運用まで丸ごと
結論:調査は「仮説→学習→意思決定」の移動速度を最大化するための装置です。アンケだけ/ヒアリングだけでは片手落ち。この記事は、PdMが今日から使える定量×定性テンプレを一式で提示し、実運用の到着点(判定・横展開・撤退)まで具体例でつなぎます。
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
1. 定量(アンケート)テンプレ|「行動の分布」を一気に掴む
導入:定量の目的は、どの場面で・どれだけの人が・どのように詰まっているかを面で把握すること。PdMはこの“地図”を作った時点で半分勝っています。態度ではなく事実(頻度・直近・目的)を問うと、次に読むログがクリアになります。
要点:一文一意/網羅+排他の選択肢/自由記述は最後に1つだけ(バイアス抑制)。
コピペ素材(Googleフォーム想定):
Q1. 最後に本サービスを使ったのは? □ 今日 □ 今週 □ 1週〜1ヶ月 □ 1ヶ月超 Q2. 使った目的は?(1つ) □ 定常業務 □ 依頼対応 □ 自分の検証 □ その他 Q3. 初回体験で「うまくいった」度合い □ 非常に □ ある程度 □ どちらでも □ ない Q4. 次回も使う可能性 □ ぜひ □ たぶん □ 分からない □ 使わない Q5. 迷ったステップ(1つ) □ ログイン □ 初期設定 □ データ入力 □ 結果確認 □ 料金/権限
具体例:回答n=412で「迷い=結果確認」が36%。次章のログで“結果画面到達は高いが、その後の再訪が低い”と突き合わせ、結果文面のテストに絞り込みます。
2. ログ分析テンプレ|「どこで」「どれだけ」離脱するかを確定する
導入:アンケで方向が見えたら、ログで規模と場所を確定。見るのはAha到達率/TTV(中央値+p95)/Dτ(次回活性)の3本柱。特にp95は“取りこぼしの警報”です。
要点:Ahaは体験で定義(例:CSVドラッグ→自動候補が出て差分だけ手動)/TTVは二峰性検出にp95必須/Dτは翌回活性(週次・月次に置換可)。
コピペ素材(BI/SQLイメージ):
-- Aha到達率
SELECT COUNT(DISTINCT user_id) FILTER(WHERE reached_aha=1)*1.0/COUNT(DISTINCT user_id) aha_rate FROM cohort;
-- TTV p50/p95
SELECT PERCENTILE_CONT(0.5) WITHIN GROUP (ORDER BY ttv_sec) ttv_p50,
PERCENTILE_CONT(0.95) WITHIN GROUP (ORDER BY ttv_sec) ttv_p95
FROM (SELECT user_id, MIN(aha_at - first_touch_at) ttv_sec FROM events GROUP BY user_id) t;
-- Dτ(翌回活性)
SELECT COUNT(*) FILTER(WHERE active_next=1)*1.0/COUNT(*) d_tau FROM daily_active_flag;
具体例:Aha 62%/TTV p50=210s, p95=610s/Dτ=18%。結果確認画面の直後でイベントが途切れがち。次章の定性で「なぜ」を掘ります。
3. 定性(インタビュー)テンプレ|「なぜ」を掘り、言葉を作る
導入:定性は“行動の理由”を言語化する作業。オープンクエスチョンで行動・感情・比較を聞き、誘導を排除します。録音はカード化してチーム用語へ翻訳。
要点:「なぜ」より「どんな時に/どう感じた」/時系列で具体回想/代替手段との比較を必ず質問。
コピペ素材(質問ガイド):
1) 直近で一番スムーズだった操作は?手順を順番に。 2) 「うまくいった」と思えた決め手は?(画面のどこ/何が) 3) 迷い・不安が出たのはどこ?その時の気持ちは? 4) 明日もう一度やるなら、何が準備されていると楽? 5) Excel/他ツールと比べた時の違いは?
よくある落とし穴:恣意的な質問(「便利でしたよね?」等)/前提の押し付け(「この機能を使った前提で」)/価値の先出し(デモ後に聞く)。
具体例:インタビューn=5で共通の言葉「翌週も自動で更新されるか不安」。ここでAhaを「初回成功」→「継続の安心が得られる瞬間」に再定義。次の章で意思決定の“一枚絵”に落とします。
4. 定量×定性のブリッジ|意思決定の一枚絵
導入:調査は集めて終わりではありません。PdMの仕事は「判断できる形」に束ねること。以下の“一枚絵”を使うと、優先→実験→判定→横展開/撤退までを30分で決められます。
フォーマット(Miro/スライド用):
課題(定量): ・結果確認後の再訪が低い(Dτ 18%) ・Aha 62% / TTV p95 610s(遅いユーザー群が厚い) 洞察(定性): ・「翌週も自動で更新されるか不安」の声が多数 ・結果の“意味”と“次の一手”が見えない 仮説: ・利益先出しの文面+「1クリックで継続設定」を見せれば再訪が上がる 実験(2週間/AB): ・A: 現状文面 ・B: 「このレポートは来週も自動更新。継続設定はあと1クリック」 判定指標: ・Aha ±0pt維持 / TTV p95 -10%以上 / Dτ +5pt以上 結果: ・Aha -0.3pt / TTV p95 -12% / Dτ +6.4pt → 採用、全ユーザーへ横展開
具体例:上記B案でDτが+6.4pt改善。Slackで「#aha共有」に下記を投稿し、同様の“結果画面”を持つ別機能へ横展開。
今週の判定:採用 ・理由:Dτ +6.4pt / p95 -12% ・次手:請求一覧画面にも「来週も自動更新」を追加。判定基準は同じ。
5. 共有と運用|“調査が回るチーム”の作り方
導入:属人化を断ち切る鍵は「投稿→合意→更新」の定例化。ドキュメント=プロダクトの一部として扱い、CS/開発と同じ言語で回します。
要点:週1「#aha共有」スレ(短文3点セット)/月1で質問票とKPIの棚卸し/新人オンボは本記事のテンプレを配布して即戦力化。
コピペ素材(Slackテンプレ):
#aha共有(今週) ・定量:結果確認で離脱 28% → 文面テストB案でDτ +6.4pt ・定性:「来週の不安」多数(n=5) ・決定:B案採用。請求一覧へ横展開。判定はDτ +5pt/2週。
具体例:テンプレ投稿を続けるだけで、“価値を言葉で語れる”CSが増え、機能議論が“Ahaを強くするか?”に統一されます。
付録:用途別・質問文テンプレート早見表
導入:迷ったらここから。目的別にコピペ→軽微編集で使えます。事実→理由→比較→次の一手の順で並べると崩れません。
コピペ素材:
【オンボ改善/定量】止まりやすい場所の特定 Q. 初回で止まったのはどこ? □ ログイン □ 初期設定 □ データ入力 □ 結果確認 【オンボ改善/定性】「次の一手」の可視化 Q. 結果を見た直後、次に何をしようと思いましたか?(思わなかった場合は理由も) 【価値仮説/定性】仕事文脈の抽出 Q. どんな瞬間に「これがあると助かる」と感じますか?(直近の出来事と一緒に) 【価格受容/探索】継続/解約のシグナル Q. 有料でも使い続けたい理由は?逆にやめるとしたら何が決め手ですか?
具体例:価格探索で「解約の決め手=“自動が止まる不安”」が出た場合、料金表より先に継続の安心UI(更新バッジ/通知)を優先するとCVRが伸びやすいです。
関連記事
FAQ
Q1. サンプルが少ない時は?
A. 方向を見る段階です。p95の悪化やDτの変化を“矢印”で判断し、すぐ定性に繋げてください。
Q2. 何人聞けば良い?
A. 5人×15分で十分。共通語が出始めたら実験へ。
Q3. 毎回票を作り替える?
A. 基本は本記事テンプレを標準化。プロダクト固有の語彙だけ差し替えます。


コメント