1on1を“成長の装置”にする──設計・運用・記録の完全ガイド
正直に言うと、私は1on1が苦手でした。話した後に「良い時間だった」と思うのに、メンバーの行動が変わらない。評価シートは埋まるのに、チームのスピードが上がらない。「あれ、これ意味ある?」と感じていた時期が長くあります。
メンバー育成のために試行錯誤を行い、今ではある程度型を作って運用しています。1on1は“会話”ではなく、成長設計の場と捉えます。設計が甘いから結果が出ない。逆に、設計ができていれば、短時間でも人は変わる。今日はその方法を共有します。
1. 1on1が空回りする最大の理由
1on1のよくある失敗は次の3つです。メンバーと1対1なので、雰囲気を悪くしたくない、話題を切らせたくないという気持ちはわかります。私も最初は同じでした。
- 雰囲気が良い=成果だと思ってしまう
- 「最近どう?」で始まり、「頑張ろう」で終わる
- 安心はあるが、前進が生まれていない
ただ、雰囲気が良いから関係構築がうまくいっているとは限りません。1on1は優しさで包む場ではなく、挑戦を始められる安全地帯です。
「気まずくなりたくない」が勝つと、成長への一歩が消えます。
2. 開始前に明確にすべき“前提”
1on1は、始める前のすり合わせで8割決まります。前提がないと、評価面談か雑談会になります。私は最初の1回で必ず次を明示します。
- 目的:成長角度を上げる時間
- 役割:意思決定は私、選択はあなた
- 心理安全:失敗の責任は全部持つ
これを言語化することで、「評価される時間」ではなく「一緒に強くなる時間」になります。安心がない状態でフィードバックしても、相手は動けません。
3. 運用の型:“観察→意味づけ→行動”
1on1で大事なのは、抽象的な“気づき”ではなく、具体的な“次の一歩”です。議論の深さより、行動の明確さ。私は次の3つだけで回します。
- 観察共有:最近の行動と状態を事実ベースで揃える
- 意味づけ:詰まりの原因を一緒に言語化する
- アクション:次回までの1つの実行を決める
例えば、
- 次の顧客ヒアリングの設問3つを事前共有
- 仮説をスラックに投稿→私が添削
- 完成前に仕様を投げる→一緒に磨く
ポイントは、未完成のまま動く練習をしてもらうことです。完璧主義は行動を止めます。スピードは挑戦から生まれる。
4. 1on1は“ログ”で再現性が生まれる
記録のない1on1は水に書く文字です。感覚は積み上がりません。私はNotionで次を管理します。
- Good:うまくいった行動と言動の理由
- Blocker:詰まりの“構造”
- Next Action:次回までの1アクション
次回冒頭で「前回の行動、どうだった?」と振り返り、進化を見える化します。これをやると、人はちゃんと成長します。「やった気になる1on1」が消えていきます。
5. 成長の先に“事業アウトカム”を置く
ここを忘れると「良い教育プログラム」で終わります。1on1の出口は、個の変化→チームのスピード→事業価値です。
例:
- 問いの質が上がる→Ahaまでが早くなる
- 分解癖がつく→物事が詰まらなくなる
- 仮説精度が上がる→0→1の速度が上がる
成長は目的ではなく、事業の推進力。ここまで繋げて初めて、1on1は組織の武器になります。
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この記事のフレームは、私が現場で成果に直結させてきた1on1メソッドの一部です。
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