初日の朝、私は新しいSlackにログインして固まりました。誰も私を知らない。カレンダーには“キックオフ(30分)”。
——この30分で「任せられそう」と思ってもらえるか、ただの“新入りさん”で終わるのか。分かれ目は、最初の30日で小さな勝ちを積むことでした。
この記事は、未経験〜ジュニアPdMが転職直後に使えるやさしい立ち上がりガイドです。各セクションは、必ず“導入の一言”→“やり方”の順で書きました。読むだけで、そのまま動けます。
- 0. ゴールの共有:30日で目指す「3つの状態」
- 1. Day1–3:「最初の一言」を仕込む(Slackと会議の準備)
- 2. Week1:指標の“3行ダッシュボード”を作る
- 3. Week2:ユーザーの声を5本集める(短時間インタビュー)
- 4. Week3:小さな改善を1つ出す(“最短で効く”順)
- 5. Week4:成果を「1枚」に圧縮して見せる(Result Card)
- 6. 会話で読む“現場ドラマ”——小さな勝ちが生まれる瞬間
- 7. つまずき別・やさしい処方箋
- 8. 明日から使えるミニチェックリスト(導入→やり方の順)
- 9. さらに深掘り(内部リンク)
- 10. 有料note&特典テンプレ
- 11. まとめ:小さな勝ちを、毎週
0. ゴールの共有:30日で目指す「3つの状態」
まずは地図を広げましょう。ここがブレると、努力が散ります。
- 状態1:判断材料がいつも手元にある
理由:会議で速く決めるには、指標の“3行”が必要。KPI設計が土台。 - 状態2:ユーザーの“生の声”が毎週入ってくる
理由:机上の空論が消える。会話の型はインタビュー基本が役立ちます。 - 状態3:小さな改善が毎週1つ出る
理由:チームは“成果”で信頼する。判断の型は優先順位フレームへ。
1. Day1–3:「最初の一言」を仕込む(Slackと会議の準備)
導入:会議は準備で8割決まります。資料を完璧にするのではなく、入り口の一言を整えましょう。相手に“次の行動”が見えると、話は早い。
- Slackの最初のメッセージ
一言:「今日決めたいのは1つ:保存の“戻ると消える”を解消する案。材料:スクショ2枚/PRD3分。WIPなので荒いコメント歓迎」
理由:目的・材料・未完成宣言の3点を先に出すと、返信が速くなる。PRDの骨組みは要件定義ガイド参照。 - 15分キックオフのアジェンダ
一言:「1) 何を決める、2) 材料(スクショ3枚まで)、3) 判定条件(KPI/リスク)だけ共有します」
理由:“何でも会議”を避け、決める会議にする。 - 役割の明示(DACIをやさしく)
一言:「進行は私(D)、最終承認は◯◯さん(A)、専門意見はEng/Design(C)、共有だけはCS(I)」
理由:誰が何をすべきかが一目で分かる。以後の相談が短くなる。
2. Week1:指標の“3行ダッシュボード”を作る
導入:「見れば動ける」状態を先につくると、発言の重みが変わります。完璧なBIは不要。3行だけで十分です。
トップ3(毎朝見る)
1) Aha到達率 … 初回の価値に触れた割合(例:保存成功)
2) TTV中央値 … 価値までの時間(分)
3) 翌日活性 … 翌日に“価値行動”を再実行した割合
やり方:イベントは app_open / Aha成功 / d1_active の3本から。定義の置き方はKPI設計が詳しいです。
3. Week2:ユーザーの声を5本集める(短時間インタビュー)
導入:迷ったら、ユーザーに会いに行く。完璧な調査は不要。15分×5本で十分に濃い学びが取れます。
- 聞き始めの合言葉
「最後に◯◯したのはいつ? まず何をしました?」——過去の事実に限定すると、話が具体になる。 - 止まった瞬間の拾い方
「一番『うっ…』となったステップは? その時、画面には何が?」——摩擦の正体が見える。 - 代替行動で本音を知る
「それが無ければ、どうしました?」——“本当に欲しい価値”が浮かぶ。
詳しい流れはインタビュー基本へ。
4. Week3:小さな改善を1つ出す(“最短で効く”順)
導入:派手な機能より、最初の価値までの距離を詰めるほうが効きます。私はいつもこの順で試します。
- 状態保持(戻っても消えない)
理由:不安が消えると、Ahaまで歩き続けてくれる。 - 例示>説明(良い例・悪い例のカード)
理由:読むより見るほうが早い。迷いが減る。 - 進捗の可視化(「残り1分」)
理由:先が見えると、人は続けられる。
“どれからやる?”に迷ったら:優先順位の型が判断の拠り所になります。
5. Week4:成果を「1枚」に圧縮して見せる(Result Card)
導入:良い仕事は、短く言えると評価されます。面談や定例で配れるよう、1案件=1枚に。
■案件名(1行)… 例:「初回価値までの距離を詰めたオンボ改善」
■背景(Why)… 何が課題?(Aha/TTV/翌日活性のどれ)
■やったこと(3つ以内)… 文言/順序/状態保持 など
■意思決定(判定日・捨てた案)… “やらない理由”も書く
■結果(Evidence)… ログの差分+ユーザー発言の抜粋
PRDへの落とし込み方は要件定義ガイドが役立ちます。四半期設計は最初の90日ガイドへ。
6. 会話で読む“現場ドラマ”——小さな勝ちが生まれる瞬間
私:「今日の目的は“戻ると消える不安”の解消。決めたいのは状態保持ON/OFFの二択です」
Eng:「ONなら2日でいける。OFFなら文言調整だけ」
CS:「問い合わせは『消えるのが怖い』が週数件。ON推し」
私:「ONで。判定はW4、見る指標はAhaとTTV。Decision Logに残します」
会議が12分で終わり、残り3分でタスクが割れました。
短い一言が、チームの歯車をカチリと噛み合わせていく——その音が聞こえると、評価は静かに上がりはじめます。
7. つまずき別・やさしい処方箋
導入:壁は誰にでも来ます。来たら、短く直しましょう。
- Slackが長文化する → 「目的/決めたいこと/材料/WIP」の4行で始める。
- 会議が散らかる → アジェンダは「決めること1つ+材料3枚+判定条件」。DACIを読み上げてから開始。
- 数字がない → まずは“3行ダッシュボード”。定義は一行で固定(Aha/TTV/翌日活性)。
- やることが多すぎる → Result Cardに“捨てた案”を書いて軽くする。
8. 明日から使えるミニチェックリスト(導入→やり方の順)
導入:迷ったら、この5行だけ見返してください。
□ 朝いち:Aha/TTV/翌日活性の“3行”をスクショ(揃える)
□ 今日のSlack:4行(目的/決めたいこと/材料/WIP)で送る(短く)
□ 会議は15分:決めること1つ+材料3枚+判定条件(集中)
□ 週1の学び:15分×5本のユーザー会話(現場に戻る)
□ 金曜の締め:Result Cardを1枚(見せ方を整える)
9. さらに深掘り(内部リンク)
- PdMが成果を出すKPI設計と運用の実践ガイド
- ジュニアPdMのためのユーザーインタビュー基本と実践
- 優先順位判断フレームワーク完全解説
- PdMのための要件定義・PRDの書き方
- PdM転職直後の最初の90日を完全ガイド
10. 有料note&特典テンプレ
この記事のSlack文面テンプレ集、15分会議アジェンダ雛形、Result Card(1枚)は、有料noteで配布。特典:PdMスキルテンプレート集(PDF)/キャリア戦略シート(PDF)。
11. まとめ:小さな勝ちを、毎週
転職直後の30日でやることは難しくありません。短い一言で始め、3行の数字で支え、5本の声で確かめ、小さな改善を1つ出す。それを毎週積み重ねるだけ。
物語の主役は、いつだって“現場”です。あなたの一言から、チームの物語を動かしていきましょう。


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