はじめに
プロダクトマネージャー(PdM)としての第一歩を踏み出すとき、多くの人が「ユーザー起点で考えることが大事」と教わります。
確かにこれは本質的に正しいアプローチです。ですが、ユーザー視点を重視するあまり、陥りやすい「落とし穴」も存在します。
本記事では、ジュニアPdMや未経験から転職したばかりの方に向けて、ユーザー起点の落とし穴とその回避策について、実例を交えながら解説します。
「ユーザー起点」が裏目に出る場面
- ユーザーの要望をそのまま仕様にしてしまう
ユーザーが言う「〇〇が欲しい」に対して、そのまま実装しようとするのは危険です。なぜなら、その「〇〇」は表面的な欲求に過ぎず、本当の課題ではない可能性があるからです。 - 声の大きなユーザーだけを優先してしまう
ヘビーユーザーやクレームユーザーの声ばかり拾うと、全体にとっての価値ではなく、部分最適に陥るリスクがあります。 - インサイトが不明瞭なまま要件化する
ユーザー調査をしたものの、背景や文脈を深く読み取らずに要件を定義してしまうと、意図とずれた設計になりがちです。
回避するためのアプローチ
1. ユーザー要望を「なぜ?」で分解する
「この機能がほしい」という声に対して、「なぜそれが必要なのか?」を深掘りすることで、潜在的な課題を浮き彫りにできます。
例:「通知が遅い」→「仕事中に情報を見逃す不安がある」→「リアルタイム性が重視される利用シーンが存在する」
2. ユースケースに立ち返る
声を拾うのではなく、「このユーザーはいつ、どこで、何を達成したいのか?」という状況を描くことが重要です。ユーザーストーリー形式が有効です。
例:「出先で上司に確認される前に、不具合に気づきたい担当者」
3. ペルソナとセグメントの明確化
全員にとってベストな解決策は存在しません。主要なペルソナと利用シーンに絞ることで、軸のあるプロダクト判断が可能になります。
4. 定量データと組み合わせて判断する
定性的な声に加え、実際のユーザー行動や数値データと組み合わせて判断することで、主観に偏らない設計ができます。
実務の中でどう活かすか(経験ベース)
私自身、以前あるプロジェクトで「ユーザーの要望をすぐに反映する」スタンスを取り続けた結果、機能の乱立によるプロダクトの複雑化と、開発スピードの低下に直面したことがあります。
そこで一度立ち止まり、「この機能は誰の、どんな課題を解決するのか?」をチーム全員で再定義し、結果的にいくつかの機能を非公開にしたことで、ユーザー満足度とNPSが大きく改善した経験があります。
役立つツール
- Notion:ユーザーストーリーや仮説管理
- Hotjar / Clarity:ユーザー行動の可視化
- Googleフォーム:簡易的なアンケート収集
関連リンク(内部リンク)
まとめ
「ユーザー起点」はPdMとしての基本姿勢ですが、ユーザーの声を鵜呑みにせず、その背景にある本質的な課題を見極める視点が重要です。
課題の構造化、ユースケースの設計、定量データの活用などを通じて、「本当に価値あるプロダクト」を形にしていきましょう。


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