「KPIを設定したものの、具体的な施策に落ちていない」
「施策の優先順位が、声の大きい人の意見や思いつきで決まってしまう」
「リリースした機能が、どの数字に貢献したのか振り返れていない」
プロダクトマネージャー(PdM)にとって、機能を作ることは手段に過ぎません。本来の仕事は「数字(KPI)を伸ばすこと」です。
しかし、多くの現場では「とりあえず機能を作ること」が目的化し、KPIがお飾りになっています。
なぜKPIがワークしないのでしょうか?
それは、「KGI(最終ゴール)から施策までの因数分解(ロジック)」と「何をやって何をやらないかの判断基準(優先度)」の2つが設計されていないからです。
今回は、感覚に頼らず、ロジカルに数字を伸ばすための「KPI設計」と「優先度管理」の型について解説します。
1. KPIは「ツリー」で分解しないと意味がない
よくある失敗は、いきなり「MAU(月間アクティブユーザー)を追おう」と決めてしまうことです。
MAUは結果指標(KGIに近い指標)であり、直接コントロールできません。
現場のPdMが追うべきは、もっと分解された先行指標です。
これを可視化するのが「KPIツリー」です。
因数分解の例(ECサイトの場合)
- 売上 = 訪問数 × CV率 × 客単価
- 訪問数 = 新規流入 + リピート流入
- 新規流入 = 広告経由 + 自然検索 + SNS
ここまで分解して初めて、「今月は『自然検索』が弱いから、記事コンテンツを強化しよう」という具体的なアクションが見えてきます。
KPIツリーがないチームは、地図を持たずに航海しているようなものです。
2. 施策の優先順位は「ICEスコア」で決める
やるべき施策が見えても、リソースは有限です。
ここで「社長が言ったから」「営業が急かしているから」で優先度を決めてはいけません。
成果を出すPdMは、「ICE(アイス)スコア」などのフレームワークを使って、機械的に優先順位を判断しています。
- Impact(インパクト): その施策でKPIはどれくらい伸びるか?(10段階)
- Confidence(確信度): その予測にどれくらい根拠があるか?(10段階)
- Ease(容易性): どれくらい少ない工数で実装できるか?(10段階)
スコア = I × C × E
このスコアが高い順に並べることで、「工数が少ない割にインパクトが大きい施策(Quick Win)」を逃さず着手できるようになります。
また、ステークホルダーからの「あれもやって」という割り込みに対しても、「スコアが低いので後回しです」とロジカルに断れるようになります。
3. 数字と施策を「1枚のボード」で管理する
KPIツリーと優先度(ICEスコア)は、別々に管理してはいけません。
「どのKPIを伸ばすために、どの施策を、どの優先順位でやるのか」が一覧で見える状態を作る必要があります。
私は普段、これをNotion上の1つのダッシュボードで管理しています。
目標(KPI)と手段(施策)が紐付いているため、チーム全員が「今なぜこれを開発しているのか」を理解した状態で走ることができます。
KPIを決めただけでは、数字は伸びない
ここまで「何をやるべきか(KPI・優先度)」を決める話をしてきました。
しかし、PdMの仕事はここで終わりではありません。
決定した施策を、エンジニアに正しく伝え、バグなくリリースして初めて数字は動きます。
多くのPdMは、KPI設計で満足してしまい、その後の「要件定義」や「ドキュメント作成」で手を抜いてしまいます。
その結果、手戻りが起きたり、意図と違うものができたりして、結局KPIは達成されません。
「正しい目標」を決めたら、次は「正しい実装」に進みましょう。
【Notionテンプレート配布】決めた施策を、確実に「形」にする実務の型
KPIや優先度が決まっても、それを開発チームに渡す「ドキュメント」が適当だとプロジェクトは失敗します。
私が実務で数年かけてブラッシュアップし、実際の現場で使用している「PdMの実務テンプレートセット(Notion版)」をnoteで公開しました。
- [v] 要件定義書(PRD)完全版: 施策の意図をエンジニアへ正確に伝えるフォーマット
- [v] ミーティング議事録テンプレ: 決定事項とネクストアクションを漏らさない型
- [v] リリース前チェックリスト: KPI計測ログの埋め込み忘れなどを防ぐリスト
- [v] 施策管理ボードの構成案: チームでタスクを回すためのNotion構成事例
「KPI達成のための施策を、最短・最速でリリースしたい」という方は、ぜひこの実務の型を手元に置いてください。
※Notionへの複製(Duplicate)機能で、1分後には使い始められます。


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