「Aha体験までは良い。でも翌月になると利用が落ちる」――この現象、あなたのプロダクトでも起きていませんか?
価値提供型PdMにおいて、真の勝負は「翌月も使いたい」と思ってもらえるかどうか。
Dτ(翌月活性)を改善するための鍵は、“安心”を感じさせる心理設計にあります。
なぜ「安心」がリテンションを左右するのか
ユーザーは、初回利用時に“新しい体験”を楽しみます。しかし翌月になると、心理は一気に現実的になります。
- 「このツール、本当に来月も自動で回るのか?」
- 「設定や操作を忘れて、またやり直しにならない?」
- 「結果が安定して出ないなら、別の手段を探そう」
つまりAha体験は「短期的な喜び」ですが、リテンションを支えるのは「長期的な安心」です。
実例:経理SaaSで“翌月の不安”を安心に変えた
ある経理SaaSでは、「仕訳が自動化される瞬間」をAha体験として定義していました。
初月の利用率は高いものの、翌月の再利用率(Dτ)は低下。分析の結果、ユーザーは“翌月も同じように動作するか”に強い不安を抱いていることがわかりました。
そこで、Ahaの定義を「翌月も自動化される安心感」に再設計。
以下の3つを実装しました:
- 初回完了後に「来月も同じ設定で処理されます」と表示
- 処理完了メールの件名に「自動処理成功(前月比較:−2分短縮)」を明記
- 翌月冒頭に「前月と同じ結果が得られた」通知を配信
結果、Dτは+6.8pt、継続率(D60)は+3.2pt改善。
ユーザーが「来月も同じように使える」という確信を得た瞬間、リテンションは自然に上がったのです。
心理トリガーで“継続したくなる”を作る
リテンションを高める設計には、以下のような心理トリガーが有効です。
- 確実性:「自動で回る」「同じ結果が出る」と確信できる状態
- 予測可能性:次に何が起きるか、どんな成果が得られるかが読める
- 社会証明:他のユーザーも“翌月も使っている”と感じられる演出
- 損失回避:「使わないと損をする」と思わせるナッジ
この4つのトリガーをUI・メッセージ・メール・通知の全接点に織り込むことで、「続けたくなる」構造が生まれます。
Dτ改善チェックリスト
- Aha体験の“翌月版”を定義しているか?
- 成果を「来月も続く安心感」で可視化しているか?
- 利用結果を翌月にリマインドできているか?
- 再開時の摩擦(再ログイン・設定)は最小化されているか?
まとめ:
リテンションは数値ではなく“感情の連続性”です。
ユーザーが「このツールなら任せられる」と思えたとき、Dτの改善は自然に起こります。


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