結論:OKRは「Objective=ユーザーの達成」「KR=Aha・TTV・D1の差分」で書けば、迷わず運用できます。
会議が伸びるのは、Objectiveが“抽象”、KRが“作業”で書かれているから。シニアPdMとして私が現場で徹底しているのは、Oをユーザーの一文に固定し、KRを先行指標(Aha/TTV/D1)で揃えること。これだけで評価軸が一致し、週次レビューが5〜10分で締まります。
Aha→TTV→翌日活性の測り方は、詳しくはKPI設計と運用ガイドが最短です。
1. Objective設計の原則:Oは“誰のどの達成”かを一文で言い切る
Objectiveは「チームの気持ち」ではなく「ユーザーの達成」です。ここを曖昧にすると、KRが作業名詞に落ちます。まず対象セグメントと“できた”の形を30秒で説明できる一文に。TTVとD1への接続が連想できる表現にすると、実装の初手が揃います。
要点:Oはユーザー主語/“できた”で終える/数値はKR側へ/セグメントを明示/TTVとD1への導通を匂わせる。
【Objectiveの書き換えテンプレ(コピペ可)】
NG:オンボーディングを強化して満足度を上げる
OK:新規◯◯ユーザーが「30秒で◯◯できた」と言える状態を標準化する
NG:検索体験を改善する
OK:探し物ユーザーが「迷わず◯◯を見つけた」体験を初回で再現する
具体例:「満足度向上」だったOを「30秒で◯◯できた」に差し替えた途端、導線1本化と説明2行化が初手として合意され、議論が前に進みました。
まとめ:Oは“達成の一文”。数字はKRで語るのが型です。
2. KRの書き方:Aha・TTV・D1の差分で“線”をつくる
KRが作業名詞だと、進捗は動いても成果に結びつきません。Aha(初回価値)→TTV(価値到達時間)→翌日活性(D1)の因果で差分を書くと、短い施策でも勝敗が判定できます。中央値や相対差分を使えば、数字が弱い状況でも議論が成立します。
要点:率+中央値/相対差分OK/代理指標で補強(成功トースト閲覧率/問い合わせ率)/新規セグメントを分ける。
【KR例文(コピペ可)】
KR1:Aha到達率 +◯pt(新規セグメント/前後2週)
KR2:TTV中央値 -◯%(初回導線限定/分布も併記)
KR3:翌日活性(D1) +◯pt(再開TTV -◯%を副指標)
KR4:成功トースト閲覧率 +◯pt/Aha関連問い合わせ率 -◯%
具体例:「メール送付数」をKRにしていたチームを「再開TTV-◯%/D1+◯pt」に変更。通知は“1通・直着・抑制”へ絞られ、翌週からD1が改善しました。
まとめ:KRは“差分の文”。作業ではなく因果で並べる。
3. 運用テンプレ:週次は5分、隔週は骨格点検、四半期は目的検証
OKRは“書いたあと”が本番です。週次は色判定と次の一手を5分で決め、隔週は仮説と非スコープの見直し、四半期はObjectiveの健全性を再検証。細部は“変更窓24h”に逃がし、実装の速度を守ります。決裁者は先に明記し、締切で会議を閉じます。
要点:週次=結論→学び→次手/隔週=仮説言語化の更新/四半期=Objectiveの言い直し/Decision先出し/変更窓24h。
【週次5分台本&Slack文面(コピペ可)】
結論:Aha +6pt(緑)/ TTV -18%(黄)/ D1 +2pt(赤)
学び:分岐残存でTTV頭打ち。説明2行は効く
次手:導線1本化(1SP)+再開カード固定
判定:◯/◯ 18:00(Decision PdM)/変更窓:24h
具体例:“読み合わせ会”を廃し、台本を読み上げ→合意→変更窓宣言の流れにすると、毎週の意思決定が10分以内で完了しました。
まとめ:運用は型で締める。速度が最大の品質保証です。
4. ドメイン別OKR例:オンボ/検索/通知の三本柱
同じ型でも、ドメインによって語彙が少し変わります。以下は現場で使える三領域の雛形。いずれもOは“達成の一文”、KRはAha/TTV/D1の差分で統一。非開発でも回せる初手(2行化/導線1本化/直着通知/成功トースト)に寄せています。
要点:Oはユーザー主語/KRは差分/初手は軽量施策/検証は前後2週間+定性n=5。
【OKR雛形:コピペ可】
<オンボーディング>
O:新規◯◯ユーザーが「30秒で◯◯できた」
KR:Aha +◯pt / TTV -◯% / D1 +◯pt(副次:トースト閲覧率 +◯pt)
<検索>
O:探し物ユーザーが「迷わず該当◯件に到達できた」
KR:初回検索→該当到達率 +◯pt / 到達TTV -◯% / D1 +◯pt
<通知>
O:再開が“自然に”起こる
KR:再開TTV -◯% / D1 +◯pt / 抑制率 ◯%(1通・直着・抑制)
具体例:検索で「回遊性↑」と書いていたKRを「該当到達率+到達TTV」に差し替えたところ、改善の初手が“用語の2行化”に定まり、実装が早まりました。
まとめ:ドメインが変わっても型は同じ。言い回しだけ合わせる。
5. 失敗パターン→改善:主観語・作業KR・数字の迷子を潰す
落とし穴はいつも同じです。主観語(簡単/直感的)や作業KR(◯◯作成)が紛れ込むと、会議が迷子に。数字は“平均のみ”だと外れ値でブレます。中央値と相対差分、代理指標を併用し、Non-Goalを明記して膨張を止めます。
要点:主観語→具体へ置換/KRは差分文/中央値+率で見る/Non-Goal宣言/議論は“最小差し替え”で締める。
【NG→OK翻訳(コピペ可)】
NG:直感的にわかるUIに → OK:説明2行+図解1枚でAha +◯pt/TTV -◯%
NG:FAQを整備する → OK:Aha関連の問い合わせ率 -◯%
NG:平均TTVを短縮 → OK:TTV中央値 -◯%(分布を併記)
具体例:「平均TTV」で見ていた週は改善が見えず、分布に切り替えると“分岐残り”が原因と特定でき、導線1本化で持ち直しました。
まとめ:主観・作業・平均の三悪を排除。差分と分布で進める。
有料note(特典あり)
テンプレートは下記にまとまっています(特典PDF2点:PdMスキルテンプレ集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 数字が開示できない案件でOKRはどう書く?
- A. 相対差分(+◯pt/-◯%)と中央値で十分。前後比較の画像と代理指標(成功トースト/問い合わせ率)で裏づけます。
- Q. KRが多くなりがちです。
- A. 基本は3〜4本に圧縮。Aha/TTV/D1の“線”が切れないように削ると、施策の初手が自動で決まります。
- Q. 事業横断のOKRでもこの型は通用しますか?
- A. はい。Oを「各セグメントの達成」で書き、KRを共通のAha/TTV/D1に揃えれば、横断会議でも同じ物差しで話せます。


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