結論:KPIは「Aha→TTV→翌日活性(D1)」の“価値の線”で並べると、意思決定が速く安定します。
「数字が多すぎて、どれから見れば…」夜にダッシュボードを前にため息。私はPdMのマネージャーとして、まずAhaの到達率をひとつ、次にTTVの中央値、最後にD1を置きます。面白いほど議論が整流化され、チームは“何を次に動かすか”だけに集中できるようになるからです。
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
1. まず“線”を決める:Aha→TTV→D1の役割分担
KPIは単体では効きません。Ahaは「初回価値へ到達したか」、TTVは「そこに何分で着いたか」、D1は「翌日に使い続けたか」。この3つを一本の線で見ることで、機能改善もコンテンツ改善も“価値の速度”で判断できるようになります。
要点:Ahaは行動の事実、TTVは中央値で外れ値に強く、D1は翌日の再来で習慣化を測る。代理指標は注記に逃しつつ、判定は前後2週間の差分で統一します。
具体例:オンボーディング施策では、Aha=「設定完了」、TTV=「完了までの秒数中央値」、D1=「翌日の再開率」で整え、議論が“説明ページの2行化”へ一直線になりました。
【KPIキャンバス(コピペ可)】
目的:新規◯◯が価値に到達し翌日も継続
Aha:◯◯できた(率)/対象=new
TTV:Aha到達までの中央値(分)/対象=new
D1 :翌日活性(%)/副:再開TTV(分)
判定:前後2週間、相対差分のみ(+◯pt / -◯%)
まとめ:まず“線”を宣言。数字は線に乗せるだけです。
2. Ahaの定義:イベント最小で“できた”を撮る
Ahaは「ユーザーが価値を感じる瞬間」。ここを多イベントで囲むほどノイズが増えます。必要最小の1~2イベントで“できた”を記録し、代理として閲覧やスクロールは使いません。重要なのは命名と対象(new/既存)の切り分けです。
要点:名称はaha_completedのように明示、対象はnewに限定、期間は前後2週間、証拠はスクショ1枚を添付。定性メモ(なぜ届かないか)をセットにすると、次の施策の切り出しが速くなります。
具体例:「チュートリアル動画を見た」はAhaにせず、「初回設定が完了した」をAhaに変更しただけで議論が短文化しました。
【Ahaイベント設計(コピペ可)】
event: aha_completed
props: { plan:"free|pro", source:"web|app" }
対象: new(初回訪問〜初回7日)
備考: スクロール/滞在は代理指標として注記のみ
まとめ:Ahaは“できた”一発。イベントは最小に。
3. TTVは中央値で:分布を握り、施策を1SPに落とす
TTV(Time To Value)はAhaまでの時間。平均は外れ値に弱いので中央値で握ります。分布の裾が長いときは、説明2行化や導線1本化のような“1SP小さめ施策”を優先して差分を立てましょう。
要点:TTVは秒単位で記録、起点は最初の意図表示、終点はAhaイベント。分布の箱ひげを週次で共有すると、議論がUIの摩擦へ集約します。
具体例:候補即表示を入れただけでTTV中央値が短縮、翌週のAha率が持ち上がり、D1につながりました。
【TTV計測テンプレ(コピペ可)】
start: intent_shown(◯◯画面が表示)
end : aha_completed
metric: median(ttv_seconds)
比較: 施策前後2週間で相対差分(-◯%)
まとめ:中央値で語る。分布の“裾”を短くする施策が正解です。
4. D1で習慣化:翌日活性と再開TTVの二段構え
D1は「翌日に戻ってきたか」。AhaとTTVが整った後に効いてきます。通知やリマインドは“1通・直着・抑制”の原則で、翌日の再開までのTTV(再開TTV)も見ます。これで“戻っただけ”を避け、本当に使い始めたかを確かめられます。
要点:D1はnew対象、チャネル別ではなく体験別に見る、再開TTVを副指標に。通知の多投は短期だけ持ち上がるので、抑制条件をPRDに入れておくのが安全です。
具体例:「翌日カード」をホーム最上段に差し替え、メール1通を直着にしただけでD1が即日で改善しました。
【D1運用メモ(コピペ可)】
指標:翌日活性(%)= day1_active / new_users
副指標:再開TTV(分)
通知:1通・直着・抑制(開封≠成功、再開TTVで判定)
まとめ:D1は“戻って何をしたか”まで。再開TTVで締める。
5. ダッシュボードとレビュー:10分台本で回す
数字が決まったら、運用で差が出ます。ダッシュボードはAha/TTV中央値/D1の3カードだけを1枚に。週次の10分レビューで結論→論点3→決定→変更窓→合意ログの順に読み上げます。資料は前後1枚×3を添付し、Slackへ直着。回遊させません。
要点:命名を固定、最新版のみ共有、変更窓24hでUIの細部を後送。未達は称賛して撤退、次の1SPへすぐ移る。
具体例:命名と直着を徹底しただけで「どの数字を見るか」の迷子が消え、実装が前倒しになりました。
【10分レビュー台本(コピペ可)】
結論:Aha=黄/TTV=赤/D1=黄 → 今週は説明2行+導線1本
論点:用語難/分岐/再開導線
決定:1SP×2を実行、金曜18時に前後比較で判断
変更窓:UI細部は24hの軽微修正のみ
合意ログ:Decision/期限/変更窓 を一行で記録
まとめ:数字は“面”で見せる。台本と直着で速度を守る。
有料note(特典あり)
KPIのテンプレとレビュー運用の台本は、下記にまとまっています(特典PDF2点:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 実数が出せません。KPIの運用は可能?
- A. 可能です。相対差分(+◯pt/-◯%)と中央値、前後2週間の比較で判断すれば十分です。
- Q. Ahaが決まらない時は?
- A. “ユーザーが何をできたか”の一文に戻り、スクショとイベント最小で撮ってください。閲覧系は代理に留めます。
- Q. ダッシュボードは何枚必要?
- A. まずは1枚。Aha/TTV中央値/D1の3カードのみ。詳細は別ページに逃がすと速度が上がります。


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