結論:Aha仮説→5件の軽量リサーチ→10分共有→変更窓24h、の一本線にすると翌日から価値に効く実装が動きます。
「調査に時間がかかるから先に作ろう」——この言葉がビルドトラップの入り口です。私はPdMのマネージャーとして、重い調査を捨て、Aha(初回価値)・TTV(到達時間)・D1(翌日活性)に直結する“超軽量リサーチ”を定例化しました。仮説を一文にし、5件だけ速く回収。証拠は前後スクショと引用2つ。会議は10分、細部は変更窓で現場裁量。これで学習と実装が一体化します。
インサイトの取り方はユーザーインタビュー完全ガイドが最短です。
1. まず“Aha仮説”を一文に固定する(面の迷子を防ぐ)
リサーチが重くなる最大の理由は、聞くテーマが広いこと。最初の30分でAha仮説を一文に固定します。「newが◯◯を30秒で完了できる」が基軸。TTVの計測区間は intent_shown → aha_completed、判定は中央値・前後2週間・対象=new。toBなら意思決定者と実装者でAhaを分けておきます。例:オンボ面なら「住所入力をスキップせず、候補から選ぶだけで登録完了」。
要点:Ahaは行動の事実、TTVは秒、D1は翌日再開。仮説が太いほど質問は細くなる——これが軽量化のコツです。
【Aha仮説テンプレ(コピペ可)】
O(一文):newが「◯◯を30秒で完了」できる
TTV区間 :intent_shown → aha_completed(中央値)
D1対象 :newのみ/副=再開TTV
非スコープ:全面改修/新規分岐/基盤刷新
まとめ:先に“面”を固定すれば、質問は最短距離になる。
2. 質問票は5問だけ:阻害(用語難/分岐/入力負荷)に当てる
長い質問はノイズを増やします。Ahaに到達できなかった理由を、阻害の3分類(用語難・分岐・入力負荷)で聞くだけ。回答形式は二択+自由記述1行。toCはモデレート短時間、toBは実運用画面を見せて行動観察を優先。例:「“次へ”がどれかわからない」「候補が多く迷う」「住所の手入力が面倒」など、TTVの裾を引き延ばす原因が一気に浮きます。
要点:再現性のため、文言は毎回固定。録音に頼らず、チャットログとスクショで十分。サンプルは5件で小さく学び、翌週に再検証で厚みを持たせます。
【5問質問票(貼り替え可)】
Q1 Aha=◯◯は今できましたか?(はい/いいえ)
Q2 できなかった/迷った理由は?(用語難/分岐/入力)
Q3 どの要素で止まりましたか?(スクショに印)
Q4 こうなら“次は出来る”は?(短文)
Q5 30秒で出来るために、何を1つ削る?(短文)
まとめ:阻害の型で訊けば、実装に直結する言葉だけが残る。
3. サンプリングと募集:チャネルは“今いる場所”で足りる
速さが命。既存の接点(アプリ内バナー/完了後ミニサーベイ/サポートチャット/メルマガ1行)で募集します。インセンティブは少額、日程調整は不要(非同期・即回答)。toBは既存CSの定例に5分だけ同席。例:オンボ完了画面の「1分だけフィードバック」で即時に5件揃う。必要なのは“いま体験中の人”であることだけです。
要点:チャネルを増やさない、対象はnewのみ、同一人物への連投はしない。募集文は「30秒で◯◯をもっと速くします。選択+一言だけ」で十分。
【募集文(コピー可)】
例:30秒で◯◯をもっと速くしたいです。3つ選択+一言だけ、1分で終わります。
対象:初めて◯◯を試した方。ご協力に感謝します(任意)。
フォーム:[リンク](選択4+自由記述1)
まとめ:今いる場所で募る。速度が価値を生む。
4. 集約と意思決定:引用2つ+前後スクショで“10分レビュー”に乗せる
集計作業を作ると失速します。やることは3つだけ。①阻害ごとに代表引用を1つずつ(計2つ)並べる ②TTVの箱ひげで裾が伸びている箇所を前後スクショで示す ③PRD“一枚”に落として10分台本で読み上げ。例:「用語難:”◯◯の意味が分からない”」「入力:”住所の候補が出れば押す”」。この2つの引用だけで、導線1本化や説明2行化の“即決”が通ります。
要点:定性は“引用の短さ×鮮度”が命。チャートは1枚、資料は最新版のみ。未達は撤退・次手へ即切替。
【レビュー読み上げ(10分台本)】
結論:TTVの裾が長い→説明2行&導線1本(各1SP)
根拠:引用2つ(用語難/入力)+前後スクショ
判定:金曜18:00 前後2週×中央値(対象=new)
変更窓:文言/位置の軽微は24hで現場裁量
まとめ:軽い証拠が速い合意を生む。厚い資料は不要。
5. 翌日の実装運用:変更窓24h→D1で確認→“秒”の学習を回す
決めたらすぐ触る。UIの細部は変更窓24hで現場裁量、同日にABの小刻みを許容。翌朝にはAha率とTTV中央値の方向を見て、D1の再開TTVが悪化しないかを監視。悪化すれば通知や導線の出し過ぎを即停止。例:候補即表示を入れたら、D1は維持・TTVは-18%——次週は入力欄のプレースホルダに着手、という具合に“秒”を積み上げます。
要点:判定は中央値/相対差分のみ。逆指標(問い合わせ↑/戻る率↑/再開TTV↑)を先に明記し、連続未達2週で撤退。
【運用チェックリスト(貼り替え可)】
□ 変更窓の範囲をPRDに明記(24h/軽微)
□ 翌朝:Aha率/TTV中央値を確認(newのみ)
□ 副指標:再開TTVの悪化有無
□ 逆指標に触れたら即停止→B案へ
□ 合意ログは1行/Slack直着/最新版のみ
まとめ:学習→実装→判定を24〜48時間で回す。これがトラップ脱出の速度です。
有料note(特典あり)
軽量リサーチの質問票、読み上げ台本、PRD一枚のひな形は下記に集約(特典PDF:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. サンプル5件で十分ですか?
- A. “最初の一手”を決めるには十分です。翌週に別チャネルで5件を追加し、再現性を見ます(合計10件目安)。
- Q. ユーザーの好みが分かれた場合は?
- A. 好みは変更窓で扱い、価値線(Aha/TTV/D1)に効く差分が出る案を優先します。差分が出ない議題はNon-Goalsへ。
- Q. toBの導入は時間がかかります。
- A. 決裁者Aha(契約/発注)と実装者Aha(初期設定)を分け、TTVは導入工数で可視化。定例会の5分をもらって非同期で回すのが最速です。


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