例えば、セールスなら売上が伸びない原因。その本質はどこにあるのか。を解決することにより売上が伸びることになります。ECサイトなら商品を売れるようにするにはどのようにすればいいのか。
課題の本質を見極められるようになると、PdMとしてだけでなく、さまざまな分野で活用することができます。ただ、今回はPdMとして向き合うべき課題の本質についてお話をさせていただきます。
これは個人的な主観ですが、よくあるエンジニアからのPdMの方はこの課題の本質を見極めることが苦手に感じます。それはビジネス価値という観点が苦手な人が多いことが原因なのだと勝手に思っています。
この課題を解決しないと明日には会社が倒産するぞ!解決方法を考えろ!というくらい自分を追い込むことができるとまた違った視点が見えてくるのではないでしょうか。これは以前にご紹介した「自分事化」にもつながる話になりますね。
PdMとしての自分事化
課題の本質とは
さて、早速テーマに入っていきたいと思います。皆さんは普段PdMとして業務をこなしていく中で、課題を真剣に考えたことがあるでしょうか。ちなみに私を抜くと本質まで辿り着かずに、一旦止まって戻るなんていうことも割とあります。
例えば、上司やセールス部門から〇〇のページに遷移させたいから、LPをこんな感じに変えてほしい。やこの機能を追加してほしい。と言った依頼があった際に皆さんや周囲のPdMはどのように対応しているでしょうか。
目上の人間からの依頼ということもあり、自分で見ても確かにLPを言われた通り変更すると見やすくて〇〇への流入が増えると考え、修正を進めてしまっているPdMが多いのではないでしょうか。
「いやいや、そんな人いないよ。」
っと思われている方の周りにも、よく観察をすると割と目につくかと思います。なぜなら、企業規模に関係なく、言われたことをこなすウエイターのようなPdMが多くいることを私は感じてきたからです。
では課題の本質を見るとはどのようにするのでしょう。
上記の例で言うと、なぜ〇〇に遷移させたいの?という部分を考える必要があります。依頼主はなぜ〇〇ページに顧客を遷移させたいのでしょう?
- 売上に繋がりやすい
- 事多くの人に見せたい
- ニーズ喚起させやすい
などさまざまな理由が考えられます。
仮に売上に繋がりやすいのなら、何でもかんでも〇〇ページに誘導させることが正しいとは限りません。正しい情報を伝えて遷移させることに意味があるため、LPの改修内容も変わってくるでしょう。
そして、その修正する内容もどのように変えるのか。というエビデンスを元に判断する必要があります。
このように依頼主からの内容の本質、それをきちんと理解していないと、修正したのに全然意味のないものとなり、ビジネス価値の低い開発となってしまうのです。
依頼と課題の相違
依頼された内容だと、修正を行っても課題が解決されない。そもそも全然見当違いなことを依頼されている可能性もあります。その場合、依頼主の意見を全否定するのではなく、もっとこうしたら、という代替え案を用意しておくようにしましょう。
そして、課題の本質を見極めて開発を行ったとしても、それが直後に大きなビジネスインパクトを起こすということは難しいです。エンハンスを繰り返して試していく必要もあるでしょう。
解決策を考え過ぎない
ここでもう一つ注意しておきたいのが、課題の本質がわかり、いざ解決に向けての施策を考えるとき、多くの場合は「妄想力」や「憑依力」という言葉で「顧客になりきって考えるんだ!」という人を見ます。
断言します。顧客になりきるなんて不可能です。世の中にはどれだけのターゲットがいるのか。細かい人、大雑把な人、初心者から上級者知識のある人本当に顧客となるターゲットはさまざまです。
本質までわかり、何かしらのエビデンスがあるのなら、もう迷わないでください。1番ミニマムで進められるMVPで試してみるしかありません。「百聞は一見にしかず」どんなに素晴らしいアイデアも行動しなくてはただの机上の空論です。
実践して初めて素晴らしいアイデアが、効果的なのか微妙なのかがわかります。
工数を最小で始められるのなら、まず始めてみましょう。その上で、エンハンスを進めることや方向転換をして進めればいいのです。もっと良く考えてからといつまでも行動しないのはPdMとしてでなく、ビジネスパーソンとして成り立っていません。
上の方のコメントでも記載しましたが、「この問題を解決しないと明日会社が倒産する」という状況で
「いや、もっと良く考えてから」
なんていう経営者はいませんよ。そのために工数(費用)もほとんどかからないMVPで試しているのですから。少なくとも本質を捉え、エビデンスのある解決策を導き出したのなら、複数の解決策を実行してあたりを見るべきです。
これができず「PdMとは」なんてクールに講義している人をたくさん知っています。もう一度言いますが、解決策を考え過ぎてはいけません。
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最後に
課題の本質を見極めるというのは、意識していないと「上司から」や「忙しいから」という言い訳に負けておろそかにしてしまいます。しかし、この本質を理解して進めることが、PdMとしても成長しますし、ビジネス価値の向上にも繋がります。
本質を見極め、最小限の工数で試して改善を繰り返すようにしましょう。
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