結論:”出荷で評価”をやめ、O一文×KR(Aha/TTV/D1)の価値OKRとPRD“一枚”に切り替えるだけで、合意は10分・実装は即日動きます。
「今月は◯本リリースしました」——会議が終わると、現場は少し誇らしげ。でも翌日の活性(D1)は伸びず、顧客のAhaも遠い。私はPdMのマネージャーとして、出荷数の報告をやめ、価値OKRとPRD一枚で会議を畳みました。話題は“何本作ったか”から“価値が何pt動いたか”へ。チームの速度も熱量も、そこで初めて噛み合います。
意思決定と価値づくりの両輪はここが基礎です。課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図で全体像がつながります。
1. なぜ“出荷評価”が罠なのか:価値の線(Aha→TTV→D1)が切断される
出荷本数は努力感を測れても、価値の移動は測れません。Aha(初回価値)に近づく時間=TTVを短くし、翌日活性(D1)を上げる線で語らない限り、成果が“作業量”に置き換わります。結果として「スコープ膨張→実装遅延→数字は静止」の負ループに。ここを断つ一手が、価値OKRとPRD一枚です。
要点:出荷は手段/価値は結果、Ahaは“できた”の事実、TTVは中央値で外れ値耐性、D1はnew対象で継続の質を担保。例:オンボーディングで動画を足しても、TTVの裾が長い限りAhaは伸びません。説明2行化と導線一本化で“秒”を詰める方が早い。
【“出荷評価”に陥っているサイン(コピペ可)】
- 週次が「完了チケット数」の読み上げで終わる
- Ahaの定義が人によって違う(“理解した”など主観)
- TTVを平均で見ている(中央値でなく外れ値に釣られる)
- D1をチャネル別に眺めている(体験別に分けていない)
まとめ:成果は出荷数ではなく“価値の差分”。線に戻す準備をする。
2. 価値OKRの設計:O一文×KR三本(Aha/TTV/D1)に固定する
OKRが重いのは、Oが抽象・KRが活動だから。Oはユーザーの“できた”一文に、KRは価値の線の三点に固定します。Ahaは到達率(+pt)、TTVはintent→Ahaの中央値(-%)、D1はnew対象(+pt)+副指標に再開TTV(-%)。実数は不要、相対差分で十分です。例:toCなら「newが初回投稿を30秒で完了」。toBなら「管理者が初期設定を初回訪問内で完了」。
要点:Oは行動文、KRは先行指標、判定は前後2週間・中央値、各KRに1SP×1〜2の施策だけ紐づける。重い企画は後送して“今、決めること”を小さく保つ。
【価値OKRテンプレ(貼り替え可)】
O:newが「[Aha=◯◯完了]」を[目安◯◯秒]で達成できる状態を作る
KR1:Aha到達率 +[◯pt](対象=new/前後2週)
KR2:TTV中央値 -[◯%](intent_shown→aha_completed)
KR3:D1 +[◯pt](副=再開TTV -[◯%])
まとめ:Oは一文、KRは三本。価値の線に固定すれば、議論は短くなる。
3. PRDは“一枚”に畳む:「今決める/後送」を明示し、トレードオフを先に出す
長いPRDは、前提がズレたまま会議時間を消費します。一枚PRDなら、Goal(Aha一文)→Why→Scope/Non-Goals→Trade-off→Metrics(Aha/TTV/D1)→撤退→変更窓の順で10分レビューが成立。例:オンボ導線の改善なら「説明2行化/導線1本化」をScopeに、全面改修はNon-Goalsへ逃がす。
要点:合意は“価値の線”だけで十分、捨てる痛み(Trade-off)を宣言、撤退と変更窓24hでスピードを守る、証拠は前後スクショ×2で軽量に。
【PRD一枚テンプレ(コピペ可)】
Goal:newが「◯◯を30秒で完了」(Aha)
Why :詰まり=用語難/分岐(定性/行動ログ)
Scope:説明2行化/導線1本化(UI軽微)
Non-Goals:全面改修/基盤刷新
Trade-off:情報量↓ 表現の自由度↓ を許容
Metrics:Aha +◯pt/TTV中央値 -◯%/D1 +◯pt(前後2週/new)
撤退:未達×2週で施策Bへ切替
変更窓:UI細部は24hの軽微修正を許容
まとめ:一枚に畳むと“今決めること”が見える。速度は捨てずに担保。
4. 運用:週次10分レビュー×変更窓24h×前後比較で“秒”を取りにいく
価値OKRとPRDは、運用で活きます。会議は「結論→論点→決定→変更窓→合意ログ」の読み上げ10分。判定は前後2週間×中央値、UI細部は変更窓24hで現場判断。例:説明2行化でTTVの裾を締め、翌週Ahaが+8pt——この“秒の積み上げ”を習慣化します。
要点:直着共有(前後1枚×3=Aha/TTV中央値/D1)、命名は日付で最新版のみ、未達は称賛して撤退、次の1SPへ即着手。
【10分レビュー台本(読み上げ可)】
結論:今週はTTVの裾を締める(説明2行/導線1本)
論点:用語難/分岐/入力負荷
決定:1SP×2を本日着手、金曜18:00に前後2週・中央値で判定
変更窓:UI細部は24hで軽微修正を許容
合意ログ:Decision/期限/変更窓 を一行で記録
まとめ:判定は“前後×中央値”。速さは台本と変更窓で守る。
5. 逆指標と撤退ライン:出荷数→差分運用へ切り替える“防波堤”
“出荷”に戻らないために、逆指標と撤退基準を最初から置きます。逆指標は問い合わせ増/戻る率増/再開TTV悪化など。到達しなければ撤退し、PRDのNon-Goalsへ移す。例:通知を足してD1が上がっても、再開TTVが悪化したら撤退。資源は“価値の線”に集中させます。
要点:逆指標は必ず数値化、撤退基準は“連続未達×2週”などシンプルに、切替時はSlackで台本読み上げ→合意ログを一行で残す。
【撤退/逆指標チェック(コピペ可)】
- 逆指標:問い合わせ増/戻る率増/再開TTV↑
- 判定:KR未達が連続2週で撤退
- 切替:施策Bへ(PRDのNon-Goalsへ移管)
- 通知:1通・直着・抑制(連続行動は停止)
まとめ:防波堤=逆指標と撤退。これで“出荷数礼賛”に戻らない。
有料note(特典あり)
価値OKR・PRD一枚・10分レビューの詳しい運用は下記に集約(特典PDF2点:PdMスキルテンプレート集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 実数が言えないのですが、どう評価されますか?
- A. 相対差分(+◯pt/-◯%)と中央値、前後2週間・対象=newで十分に評価されます。再現性にフォーカスしましょう。
- Q. A/Bをやるべき?前後比較で十分?
- A. まずは前後比較で“秒”を取りにいき、効果が安定したらA/Bで精緻化。運用の速度を優先します。
- Q. toBでも同じですか?
- A. はい。Ahaを意思決定者/実装者で分け、TTVは導入工数、D1は翌日の再開に紐づけて設計します。


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