結論:PRDの骨は、ユーザーリサーチから抽出した“生の摩擦”を仮説化し、旗・道・数字に落とすことで初めて意味を持ちます。
机上の議論だけでPRDを書くと、実装後に「誰も使わない」悲劇が起こります。理由は、課題や摩擦の解像度がユーザー本人の言葉で掴めていないからです。この記事では、リサーチを起点にPRDを構築する流れを、質問設計 → 洞察抽出 → 仮説形成 → PRD骨の直結の4ステップで整理します。
1. 質問設計:Ahaの前後を掘る
良いリサーチは「どこで詰まっているか」を明らかにします。理由は、Aha到達の前後が摩擦の温床だからです。質問は広く聞かず、体験の時系列で深掘りします。
【質問テンプレ(例)】
入口:どうやってこのサービスを見つけましたか?
初回行動:最初にやった操作は何でしたか?
Aha前:どこで迷いましたか? その時どう感じましたか?
Aha後:使い続けたいと思った瞬間は?
代替:この課題を普段どう解決していますか?
具体例:ユーザーが「入力項目が多くて諦めた」と答えた瞬間、PRDのACに「初回必須は2項目」と刻むことが決まりました。
2. 洞察抽出:答えを“行動の摩擦”に変換
リサーチの回答はストーリーですが、PRDに必要なのは摩擦の分類です。理由は、摩擦がAha到達を遅らせ、TTVを悪化させるからです。抽出時は「言葉→摩擦→影響」の順で変換します。
【洞察表(例)】
発話:「入力が面倒で離脱した」
摩擦:入力摩擦(項目数過多)
影響:TTV p95 +3分/Aha到達率 -12pt
発話:「説明文が長くて読まない」
摩擦:理解摩擦(長文依存)
影響:Aha率 ±揺れ/D1活性 -8pt
具体例:5人の声を整理しただけで、摩擦の種類が「入力」「理解」「機能」3つに集約され、PRD骨のフローが自然に見えてきました。
3. 仮説形成:摩擦を“改善ストーリー”に変える
洞察はそのままでは動けません。PRDにつなげるには仮説に変換します。理由は、仮説がなければ改善は検証できないからです。仮説は「もし〜なら〜が改善する」形式で簡潔に書きます。
【仮説シート(例)】
摩擦:入力摩擦
仮説:必須入力を2項目に減らせば、TTV p95が2分短縮し、Aha率+8pt
検証:ABテスト/p95比較/Aha率計測
具体例:「説明を分割すればD1が改善する」という仮説を立て、実際に翌日活性+7ptを観測しました。
4. PRD骨の直結:旗・道・数字に落とす
最後に仮説をPRDの骨に埋め込みます。理由は、骨が仮説に基づかないと、検証不能なPRDになるからです。旗=解決する課題、道=入口からAhaまでの摩擦排除、数字=Aha/TTV/D1の閾値で構成します。
【PRD骨(リサーチ直結版)】
旗:初回入力の摩擦を減らし、成果カードを最短で表示させる
道:入口=招待リンク/必須2項目入力/3クリックでAha
数字:Aha率 ≥ 35%/TTV p95 ≤ 7分/D1 ≥ 40%
AC:
- 必須項目=名前+メールのみ
- 完了トースト表示と同時に 'achieve_aha' 発火
- エラーは同画面で解決
具体例:この骨を元に開発したオンボーディングは、Aha率+10pt/TTV p95 -90秒を達成しました。
具体例を“読ませる”:行間まで伝える
例1|「名前+部署+役職」を必須にして失敗
リサーチで「長い入力はやめたい」と出ていたのに、社内要望で項目を増やした結果、Aha率が-14ptに。翌週、必須を2項目に絞り直し、回復しました。
例2|「説明文を画像に置き換える」仮説が当たり
ユーザーが「文字を読むのは疲れる」と答えた洞察を受け、説明を画像に変換。結果、p95 -2分、D1 +9pt。仮説検証がそのまま数字に出ました。
リサーチ前提のPRDレビュー会議(30分)
会議でやるのは「机上の想像」ではなく「洞察と仮説の突合せ」です。
- 5分:旗・道・数字の骨を音読
- 15分:洞察表と仮説シートを突合(欠落を赤入れ)
- 10分:ACと数字を再確認
【ひと言で締める】
「このPRDは“机上”ではなく“ユーザーの声”から骨を立てています。数字で裏付けが取れるまで走りましょう。」
u-note:意思決定の順路を固定する
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
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FAQ
- Q. ユーザーリサーチは何人やれば十分?
- A. 初期は5人で十分です。摩擦パターンは5人で8割出揃います。残りは検証で補います。
- Q. 仮説が外れたらPRDは失敗?
- A. 失敗ではなく学習です。仮説と数字を結んでいるからこそ、次の修正が速くなります。
- Q. リサーチに時間を割けないときは?
- A. 営業やCSの録音ログから“摩擦の言葉”を抜き出すだけでも十分PRDに直結できます。
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