「1on1は、話を聞く時間ではなく“思考を引き出す時間”です。」
PdMに求められるマネジメント力の中でも、1on1は最もチーム文化に影響します。
単なる雑談や進捗報告に終わらせず、「自分で考える力」を引き出す設計をしてこそ、チームの自走が生まれます。
1on1の目的は「行動」ではなく「意思決定の質」を上げること
多くのPdMが勘違いしがちなのが、「行動を促す場」としての1on1です。
しかし、行動を増やすことよりも大切なのは、なぜその行動を取るのかという意思決定の質。
これが定まらないまま行動量だけを増やしても、成果にはつながりません。
【良い1on1のゴール】 ・次の意思決定が自分でできる ・PdMがいなくても仮説を立てられる ・数字だけでなく背景を語れる
この3つが揃えば、メンバーは自律して成果を出せるようになります。
実例:リテンション改善PJの1on1
ある中堅メンバーが「D30が伸びません」と相談してきたとき、PdMはあえて答えませんでした。
PdM:「なぜ伸びないと思う?」 メンバー:「初期Ahaは強いですが、翌月も使う理由が弱いです」 PdM:「“理由が弱い”とは?」 メンバー:「翌月も自動で回る安心が薄い。利用頻度は悪くないのに…」 PdM:「なるほど。つまり、“安心”が次の価値ですね?」 メンバー:「はい。翌月安心をAhaに再定義すれば変わるかも」
この1on1から生まれた仮説変更によって、D30活性は+5ptに改善。
問いが変わると、思考も変わり、施策も変わります。
1on1設計の3ステップ:Before→During→After
効果的な1on1は「設計」で決まります。
即興ではなく、構造を決めておくことで継続的に機能します。
【Before】目的とテーマを共有 - 今回の1on1で考えたいテーマ(例:活性、Aha率、TTVなど) - 話す時間・聞く時間の割合を設定(例:7:3) 【During】問いで引き出す - 「なぜ?」を3回掘り下げる - 「数字の裏にある行動は?」と聞く - 「それをやめると何が起こる?」で選択を明確にする 【After】行動と仮説を記録 - “次の仮説”を1行で残す - 次回1on1で確認(成長ループを可視化)
良い問いとは「沈黙を生む問い」
良い1on1では、沈黙が生まれます。
即答できる質問は、考えを浅くします。
考え込む時間がある問いほど、相手は“自分ごと化”し始めています。
【問いテンプレート】 ・あなたが今、最も不安に思っていることは? ・なぜそれを優先した? ・ユーザーの視点で見ると、どんな課題が残っている? ・今日の話を一言でまとめると?
この質問群を回すだけでも、会話の質は劇的に変わります。
よくある落とし穴
- アドバイスに終始する:答えを渡しても成長しません。
- 進捗確認だけになる:会議と1on1の区別をつけましょう。
- ネガティブな話を避ける:成長は不安の中にしかありません。
まとめ:1on1は“問いの習慣化”がすべて
優れたPdMは、問いをデザインします。
1on1の質は、問いの質で決まります。
メンバーが自分で考え、仮説を立て、失敗から学べるようになったとき、
そのチームはすでに自走しています。


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