「PdMがいなくても、意思決定できるチームを作れていますか?」
これが“自走するチーム”の基準です。
優秀なPdMほど現場に入り込みがちですが、リーダーが抜けた瞬間に動かなくなるチームは、本当の意味で機能していません。
自走チームとは「目的・判断軸・学習」の3点で動くチーム
自走とは“放任”ではありません。
むしろ、チーム全員が同じ「目的」と「判断軸」を持ち、失敗から学べる構造を備えている状態を指します。
【自走チームの3条件】 1. 目的が明文化されている(Whyが共有されている) 2. 判断基準が言語化されている(Whatを任せられる) 3. 学習の場が固定化されている(Howを更新できる)
この3つが揃って初めて、PdMが不在でも意思決定が滞らなくなります。
実例:リリース会議の“権限移譲”
あるPdMチームでは、PdMが毎週のリリース会議を全て仕切っていました。
結果、PdMが不在だと誰もリリース判断を下せない状態に。
そこで次の3ステップで自走構造を整えました。
1. 判断基準を「影響範囲 × リスク」でスコア化 2. リリースGo条件を明文化(D1悪化なし/Aha率維持) 3. PdM不在時もスコア閾値内ならリーダー判断OKと設定
最初の1ヶ月は緊張がありましたが、2ヶ月目にはチーム単独でリリース判断を行い、PdMのレビューは週1で済むようになりました。
チームの意思決定スピードは1.4倍に改善。
権限委譲の型:「ミッション→原則→余白」
権限委譲は“丸投げ”ではありません。
任せる範囲の定義が曖昧だと、責任も曖昧になります。
ミッション:なぜそれをやるのか(目的) 原則:何を守るか(価値・リスク・指標) 余白:どこを任せるか(裁量範囲)
この3つを明示しておくことで、チームは安心して動けるようになります。
たとえば「オンボ改善」はミッションを“翌日活性+3pt”に設定し、原則としてAha率を下げない。
このようにすれば、メンバーが自律的にHowを考えられる余白を残しつつ、方向性を統一できます。
自走を支える仕組み:週次レビューの設計
自走チームでは、PdMが細かく指示する代わりに“問い”を回します。
問いが機能していれば、チームは自然と前に進みます。
【週次レビューの質問テンプレ】 ・今週、Ahaに最も貢献した施策は? ・次週、撤退すべき施策は? ・どのデータを根拠にした? ・仮説を1つ更新するとしたら?
このテンプレを使うことで、会議は“報告会”から“思考の場”へ変わります。
よくある落とし穴
- 方針が曖昧なまま裁量を渡す:自由は不安を生むだけになります。
- 権限を戻す:トラブル時にリーダーが取り戻すと、信頼が崩壊します。
- 成果でなく行動を管理する:自走を阻害する最大の要因。
自走の本質は「任せる勇気」と「待つ時間」を設計することです。
まとめ:自走チームは“PdMのいらない未来”を作る
最終的にPdMが目指すのは、自分がいなくても価値提供が止まらないチーム。
それが本当のマネジメント成果です。
自走チームとは、リーダーの存在を“不要にする設計”のこと。
任せることはリスクではなく、次の成長サイクルのスタートラインです。


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