「OKRを書いたのに、チームが動かない」——会議室を出たあと、静かな通路で誰かがため息をつく。私はそこで立ち止まり、若手に問い直します。「Oは“体験の変化”に、KRは“差分”になっているか?」
結論:OKRは、O=体験の変化、KR=Aha/TTV/翌日活性など先行指標の“差分”で書く。これだけでロードマップと会議が軽く回ります。
なぜKRを“差分”で書くのか(ねらい→やり方→失敗と直し方)
ねらいは、施策ではなく“結果”で合意することです。やり方は、Oを一行で体験の変化に言い換え、KRを先行指標(Aha/TTV/翌日活性)の差分で3つ以内に固定。失敗は「◯◯を実装する」といった施策名KRです。直し方は、指標に接続し直し、非スコープを先に決めるだけで一気に整います。
Aha→TTV→翌日活性の“並べ方”はKPI設計と運用ガイドが最短ルートです。
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OKR例文15(コピペOK:BtoBtoCを想定)
各例は、O=体験の変化、KR=Aha/TTV/翌日活性の差分。数字は実数でなく“差分表現(+◯pp/−◯分)”に統一しておけば、守秘しつつ評価軸を共有できます。
- オンボーディング(住所保存の初回成功)
O:初回アクセスから30秒で「住所を保存できた」と実感できる体験にする。
KR1:Aha達成率 +◯pp(週次)/KR2:TTV −◯分(median/P95)/KR3:翌日活性 +◯pp - 入力フォーム短縮
O:主要項目が“迷わず”埋まる体験にする。
KR1:フォーム完了率 +◯pp(Aha基準)/KR2:1項目あたり所要 −◯秒/KR3:離脱トップ3の出現率 −◯pp - 再開率向上(最近の作業3件)
O:“昨日の続き”が一瞬で始められる体験にする。
KR1:翌日活性 +◯pp/KR2:直行リンク起点のセッション比 +◯pp/KR3:再開までのクリック数 −◯ - 通知最適化(嫌われない導線)
O:通知が“背中を押す一回”だけになる体験にする。
KR1:通知起点の翌日活性 +◯pp/KR2:通知苦情率 −◯pp/KR3:通知後の直行率 +◯pp - サンプルから開始(テンプレ3件)
O:読まずに“試せる”体験にする。
KR1:サンプル経由Aha比率 +◯pp/KR2:TTV −◯分/KR3:初回完了後の次導線クリック率 +◯pp - エンプティステート改善
O:空でも“何をすべきか”が分かる体験にする。
KR1:空状態での離脱率 −◯pp/KR2:主ボタン押下率 +◯pp/KR3:次導線のクリック率 +◯pp - BtoB管理画面の初回セットアップ
O:担当者が“今日から使える”状態に着地できる体験にする。
KR1:セットアップ完了率 +◯pp/KR2:TTV −◯分/KR3:翌営業日活性 +◯pp - 検索→保存の一本化
O:検索と保存の往復をなくす。
KR1:検索→保存の直列率 +◯pp/KR2:保存までの手数 −◯/KR3:翌日活性 +◯pp - 解約抑止(続きから再開)
O:迷いを“続きに戻す”体験にする。
KR1:休眠復帰率 +◯pp/KR2:ヘルプ閲覧→再開直行率 +◯pp/KR3:解約完了率 −◯pp - 支払い完了の摩擦除去
O:支払い直後に“使い始めている”状態にする。
KR1:支払い→Ahaの直行率 +◯pp/KR2:TTV −◯分/KR3:翌日活性 +◯pp - CS連携(問い合わせ→自己解決)
O:問い合わせの半分をUI内化で“自己解決”に置き換える。
KR1:自己解決率 +◯pp/KR2:CS経由TTV −◯分/KR3:翌日活性 +◯pp - 品質劣化の即断(P95監視)
O:遅延の“痛み”を即座に検知し、説明よりUIで逃がす。
KR1:P95悪化検知からの回復所要 −◯分/KR2:遅延時の中断率 −◯pp/KR3:再開率 +◯pp - アカウント共有の抑止(BtoB)
O:役割に応じた“やるべきこと”が画面に出る体験にする。
KR1:役割別Aha達成率 +◯pp/KR2:誤操作率 −◯pp/KR3:翌営業日活性 +◯pp - モバイル優先(所要の短文化)
O:片手でも“続き”が回る体験にする。
KR1:モバイルAha +◯pp/KR2:モバイルTTV −◯分/KR3:通知→直行の成功率 +◯pp - テンプレ登録の習慣化
O:“自分の型”が育つ体験にする。
KR1:テンプレ利用Aha比率 +◯pp/KR2:TTV −◯分/KR3:翌日活性 +◯pp
OKRの作り方テンプレ(Oの言い換え→KRの差分→非スコープ→入替)
この順で書けば5分で下書きができます。詳細は別紙に逃がし、OKRは“線”だけを示します。
O(体験の変化):例「初回価値を30秒で実感できる体験」
KR(差分×3以内):
KR1:Aha達成率 +◯pp(週次)
KR2:TTV −◯分(median/P95)
KR3:翌日活性 +◯pp(Aha翌日)
非スコープ(3点):例「地図UI刷新/重い設定/外部API入替」
入替(5行ログ):
前提|直近◯週の差分
候補|A/B/C
判断|撤退=◯/継続=◯/新規=◯
撤退条件|Aha +5pp未満 × TTV悪化 → 旧版へ
学習|配置×所要が効く
レビューのやり方(15分台本)
会議の脱線は“説明”が原因です。数字と基準に限定し、入替の宣言で締めます。
[00-05] 差分(Aha/TTV/翌日活性)を確認
[05-10] 入替の宣言(撤退/継続/新規の5行ログ)
[10-15] 非スコープの再確認(説明は別ノート)
提出前チェック(3分|面接・上申・四半期レビューに共通)
最後はこの3点だけそろっていれば十分。数字が弱い時期でも“差分”で通ります。
- Oが“体験の変化”で一行になっている
- KRがAha/TTV/翌日活性などの“差分”で3つ以内
- 非スコープ3点と入替(5行ログ)の宣言がある
FAQ
- Q. 実数を言えないと弱く見えませんか?
- A. 実数でなくても差分で十分です。採用側・上層部が見たいのは“線の通し方”と再現性です。
- Q. KRが施策名になってしまいます。
- A. 先にOを体験の変化に固定し、KRをAha/TTV/翌日活性へマッピングしてから施策を当て込みます。
- Q. 四半期の途中で方針転換したい。
- A. 差分が鈍化した週に「撤退条件」を発火させ、5行ログで入替を宣言してください。
OKRテンプレ(PDF)
Oの言い換え集/KR差分テンプレ/レビュー台本をまとめたPDF。


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