朝の定例。「P95が跳ねました」「Ahaは改善、でもD1は横ばいです」——横文字が飛び交い、結論が遠のく瞬間ってありますよね。
結論:PdM用語は“定義+具体例+使い方”の3点セットで1枚化すると、チームの意思決定が最短になります。
意思決定と価値づくりの全体像は課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図でつながります。
1. この用語集の使い方(ねらい→やり方→失敗と直し方)
ねらいは「同じ言葉で同じ判断をする」。やり方は、用語カード(定義・例・使い方)を1ページに集約し、PRD・ダッシュボード・会議でその“正本”だけを参照すること。失敗は、資料ごとに微妙に違う定義を増殖させること。直し方は、用語カードに施行日を明記し、以降の比較は新定義内でのみ行います。
【用語カード(テンプレ)】
用語|定義(短文)|具体例(1行)|使い方(意思決定)|注意(品質/施行日)
2. 先行指標の中核(Aha/TTV/翌日活性)
先行指標は「今日の入替判断」に直結します。ここが揃うと、週次の迷いがほぼ消えます。Aha→TTV→翌日活性(D1)の順で読み、差分で決めるのがコツです。
| 用語 | 定義(短文) | 具体例 | 使い方 | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| Aha | 初回価値を体験した瞬間 | 「保存成功」トーストが出た | Aha達成率の上げ下げでオンボ改善の入替を判断 | クリックでなく「価値の発生」で定義 |
| TTV | 初回起動→Ahaまでの時間 | 初回ログインから保存成功まで60秒 | TTV P50/改善幅(−秒)で摩擦を特定 | 負値/24h超は除外、施行日で分割 |
| 翌日活性(D1) | Aha翌日に“直行”で戻った割合 | 翌日、再開ボタンから起動 | 価値の継続性を見る。通知/直行で分解 | 母数は「Aha達成者」に固定 |
Aha→TTV→翌日活性の順で意思決定が加速します。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
3. 分布を読む用語(P50/P95):尻尾の悪化を見逃さない
中央値(P50)は“ふつうの体験”、P95は“悪いほうの尻尾”。P50が安定でもP95が跳ねたら、一部のユーザー体験が崩れています。会議では「P50は維持、P95が2倍→原因調査」という言い切りにしましょう。
- P50(中央値):利用者の真ん中。日々の通常体験。
- P95(95パーセンタイル):上位5%の遅い人の境界。障害や欠損のシグナル。
【Slack定型文(#release-data)】
TTV P95が前日比+2.1倍。必須イベント欠損を確認中。
集計は一時停止→バックフィル→施行日注記→再開の順で対応。
4. 計測とイベントのことば(イベント/プロパティ/セッション)
“何を記録するか”の合意は、数字の再現性に直結します。イベントは価値の発生で定義、プロパティは解像度、セッションは連続した利用の単位です。
- イベント:例
save_success(保存成功) - プロパティ:
content_type/template_idなどの属性 - セッション:連続利用の塊(例:30分無操作で区切り)
【命名ルール(抜粋)】
・イベント名:過去形の動詞+成果(save_success)
・プロパティ:snake_case、単位は列名に明記(elapsed_sec)
・カテゴリ:onboarding_* の接頭辞で束ねる
5. 優先度のことば(RICE/AARRR):台本で使い切る
RICEは「どれからやるか」、AARRRは「どこが詰まっているか」を明確にします。数字を「定義カード」に結び直して、会議を判定会にします。
- RICE:Reach × Impact × Confidence ÷ Effort
- AARRR:Acquisition / Activation / Retention / Referral / Revenue
【10分台本(抜粋)】
[00-02] 先週差分:Aha +4pp / TTV −90秒 / D1 +3pp
[02-06] RICE上位2件を採用(Aha直結のみ)。低RICEは撤退。
[06-10] PRD断片更新(定義カードURLを追記)。施行日はBIに反映。
6. 品質のことば(欠損/重複/施行日):止める→直す→再開
速いだけではダメ。欠損・重複・施行日を運用語として固定し、異常時は“止める→直す→再開”の順で回します。施行日はグラフの縦線+注記で必ず可視化します。
- 欠損:必須イベントが0件。集計は一時停止。
- 重複:連打や再送での多重記録。30秒以内は1件に集約。
- 施行日:定義・品質変更の有効化日時。比較は前後で分割。
7. ミニ用語集15(コピーしてNotion/Sheetへ)
PdMの現場で頻出の15語を、定義・例・使い方に絞って一覧化しました。必要に応じて自社の式に置換してください。
| # | 用語 | 定義 | 具体例 | 使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Aha | 初回価値の体験 | 保存成功 | オンボの成否を判定 |
| 2 | TTV | 初回→Ahaの時間 | 60秒 | 摩擦の特定と短縮 |
| 3 | 翌日活性(D1) | Aha翌日に直行 | 通知から再開 | 継続性の確認 |
| 4 | P50 | 中央値 | TTV 60秒 | 通常体験の把握 |
| 5 | P95 | 95%の上限 | TTV 180秒 | 尻尾の悪化検知 |
| 6 | Active(活性) | 定義を満たす利用 | 当日1機能以上利用 | 母数の統一 |
| 7 | Retention | 継続利用 | D1/D7/D30 | 施策の持続性評価 |
| 8 | Conversion | 所定行動の達成 | 登録→Aha | フロー改善の基準 |
| 9 | Event | 記録される事象 | save_success | 価値発生で定義 |
| 10 | Property | イベント属性 | content_type | 分解/比較に使用 |
| 11 | Session | 連続利用の塊 | 30分区切り | 母数の整合 |
| 12 | Attribution | 貢献の割当 | ラストクリック | 施策評価の前提 |
| 13 | RICE | 優先度指標 | 80×0.6÷3 | 採用/撤退の根拠 |
| 14 | AARRR | 成長フレーム | Acq→Rev | 詰まりの特定 |
| 15 | 施行日 | 有効化日時 | 2025-09-02 | 比較の断絶点 |
8. コピペ素材(用語カード/告知/会議台本)
明日から使える最小セットです。正本(最新版1つ)に貼ってください。
【用語カード:Aha】
定義:初回価値の体験(保存成功)
例:保存成功トーストが表示
使い方:Aha達成率でオンボ施策の採否を決める
注意:重複は30秒で集約。施行日で前後を分割
【Slack定型文】
対象:用語カード「Aha」v1.2 更新(施行=2025-09-02)
差分:連続成功の重複を集約。Aha達成率 −1.1pp 見込み
対応:ダッシュボードは施行日で系列分割
【10分台本】
[00-02] 差分:Aha +pp/TTV −秒/D1 +pp
[02-06] 採用:RICE上位2件(Aha直結)
[06-10] 施行:定義変更は施行日注記→BI反映→PRD更新
FAQ(見えるブロック)
- Q. P95が跳ねたら何を疑えば良い?
- A. 欠損・重複・時刻ズレ。まずは集計停止→バックフィル→施行日注記→再開の順で品質対応を。
- Q. Ahaの決め方が揉めます。
- A. 体験ベースの短文で合意し(例:「保存成功」)、SQLは後追い。施行日以降だけで比較します。
- Q. RICEのConfidenceはどう決める?
- A. 「検証済みの根拠があるか」で区分。仮説のみ=0.5、ユーザー調査/ABあり=0.7–0.9が目安です。
用語カード完全版(PDF)
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