PdMが陥りやすいビルドトラップ

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PdM
本日は以前ご紹介した書籍「プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」にも記載されているビルドトラップについて、実際の体験談をご紹介させていただきます。

PdMという職種をしていると本当によく起こりがちな状態であり、客観視しているとまさにビルドトラップなのだと感じることができます。私の好きな書籍ということもあり、まさに今日起こった出来事を掲載させていただきます。


現役のPdMとして大手テック企業に勤務している30代が、日々のビジネスシーンで役立つ情報を発信していますので、興味のある方は是非ご覧ください。

ビルドトラップとは

そもそもビルドトラップとは「プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」の作者であるMelissa Perriがつかている言葉ですので、他では使用されていないかも知れません。
書籍を読んでいない人にとっては「何それ?」といった感じになりますよね。

単語は聞きなれない言葉であっても、内容を聞くと「あ〜そういうことね」っとご理解いただけるかと思います。ビルドトラップとは、リリース数やステークホルダーたちへの公開のために、本来あるべきビジネスインパクトに関係のない、もしくは邪魔をしてしまう開発を進めてしまう状態になります。
課題の解決とは関係のない方向へ進んでしまいますので、良い状況とは言えません。プロダクトを多くリリースすれば、それだけ実績がつくと勘違いをしているPdMも多いのではないでしょうか。
実際はリリース後の検証も手薄なまま、次の開発に着手して、リリースばかりを追いかけてしまう状況です。一旦立ち止まってみると、本当にその開発がOKR的な観点から最適なのか理解できると思います。
リリースや納期を意識するあまり、本来の課題や顧客体験を無視してしまい、結果ビジネス価値も顧客価値もないものが出来上がってしまいます。

本日体験したビルドトラップ

私自身が体験したとは違うのですが、目の前でまさにビルドトラップに陥っているPdMを見ていたということになります。
私とは所属が違う事業部のPdMが、ある画期的な方法で自部門の顧客体験を改善し、CVRを大きく改善できる企画を考え、開発に着手したことが始まりになります。

しかし、要件定義の段階で、私の事業部含む他部門への影響を考えておらず、自部門の改善だけを考え開発に着手してしまったのです。そして、開発途中で、エンジニアに他部門に大きな影響が出ると指摘され、急いで応急処置的に各部門のPdMとMTGをすることになりました。かくいう私も、影響が出る他部門のPdMの1人です。
各部門と連携をとり、とりあえずは解決策を見出し、担当PdMは「リリースに向けて開発を継続できる!」と自信と喜びに溢れて開発を続行しました。

すると、数日経った後、またエンジニアより、このまま進めるとセキュリティ的に重大な問題が発生すると指摘が入り、リリースの予定もあるため、対応策を自部門だけで考え、エンジニアと進めることにしたのです。
リリース直前で、私がその対応策に気がつき、このまま進めると私の部門含む他部門にとんでもない影響が出ることが判明、即刻担当PdMと会話する時間を作り、その対応策で進めてしまうとさまざまなところで、ビジネス的に大きな弊害が出ると説明しました。
担当のPdMはリリースを意識するあまり、自部門の対応策しか考えていなかったのです。普段なら気がつくであろうことも、リリースすることが目的となってしまったため、気がつくことができず、結果開発を一時中断せざるを得ない状況になりました。

そもそもの見落とし

ビルドトラップ

課題を見つけ解決する企画を考えることは素晴らしいと思います。ただし、要件定義の段階でその開発が本当に実現できるのかを検証していかなくてはいけません。
PdMとしての優先目的はまず、解決すべき課題はビジネス価値があるのか、そしてそのビジネス価値は顧客価値を上げることができるものになっているのか。
そこを見落としてはいけません。仮に見落としたとして、リリースを遅らせることになろうとも、本当にビジネス価値を向上させることを意識して取り掛からなくては、PdMとして間違った方向に進んでしまうことになるでしょう。

今後の対策

これは実際に本日発覚した出来事ですので、まだ具体的な解決策は出ていません。ただ、リリースを優先して、全体的な顧客体験を最悪のものにしてしまうことを避けるため、関係部門のPdMで協力してできる最適な方法を見つける必要があります。
明日以降もきっとMTGは続くでしょう。もしかすると解決する方法が現時点ではないかも知れません。それでもできる方法を追求してビジネス価値と顧客価値を上げることがPdMとして成長していくことなのだと思います。

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最後に

ちょっとPdMとは違いますが、先日ニュースでジョジョの奇妙な冒険の舞台が2度延期になったと話題になっていました。理由は目まぐるしく変化する舞台らしく、舞台演出?が完全でないため、公開を延期したというものでした。
素晴らしい決断だと思います。もちろん、1番は予定通りに最高のものが公開されている状態です。ただ、これはリリース(公開)を遅らせてでも顧客に最高の価値を届けるという、実にPdMらしい考え方なのだと、ニュースを見て感じた一コマでした。

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