結論:レビュー後の“合意”を、即座にタスク・通知・KPIフォローに変換してください。そうしない限り、PRDは紙の約束で終わります。
会議で拍手が起きても、翌週の数字が動かなければ負けです。そこで大切なのは、レビュー直後の60分。ここで「誰が・何を・いつまでに・どのKPIを動かすか」を文書とシステムに刻む。会議室の熱を失わずに現場へ運ぶために、タスク化 → 通知 → KPIフォローの順番で設計します。これにより、Aha(価値実感)到達率とTTV(特にp95)の短縮、D1(翌日活性)の立ち上がりが、確率ではなく運用で担保されます。
レビュー後60分の設計:熱が冷める前に“3点セット”
レビュー後は意思決定の鮮度が高い。ここで動けば、p95の尾は短くなり、D1の壁を越えやすい。逆に先延ばしは、合意の蒸発に直結します。よって、「タスク化・通知・KPI設定」の3点を、60分で完遂する儀式にします。
- タスク化:Must施策をチケットに分解(Aha直結・p95短縮で優先)
- 通知:変更点と締切を“短文+リンク”で配信
- KPI設定:Aha/TTV/D1の閾値とダッシュボード更新を確約
【チェックリスト(60分)】
□ Must3件をチケット化(AC=3クリック・3分・一意発火を転記)
□ PRDバージョン v+0.1/決裁ログ記入/更新通知
□ ダッシュボードに“今週の焦点:p95を2分削る”を掲示
まとめ:儀式化すれば迷いは減る。
具体例:レビュー当日に上記を実施し、翌週のp95が8.1→6.0分へ短縮。
タスク化:チケットは“価値の条文”から切る
タスクは「やること」ではなく「価値を成立させる条件」を実装可能な単位に切るものです。そのため、PRDの受け入れ基準(AC)とスコープ票から直接分割します。これは、仕様の合否ではなく価値の合否で運用するために不可欠です。
- Must優先:Aha直結/p95短縮期待の高い順
- AC転記:3クリック・3分・一意発火(UI/ログの双方に落とす)
- 粒度:1〜3日で“価値の一部”が動く単位
- 依存:Won’t/Shouldとの境界を明記
【コピペ:チケット雛形】
Title:Aha到達のp95を2分短縮(項目3削減+2ステップ化)
Scope(PRD):v1.3 Must #M-01
AC:3クリック以内/TTV p50 ≤ 3分・p95 ≤ 7分/完了トーストでachieve_aha一意発火
Logs:view_entry/click_primary_cta/achieve_aha/input_error
Owner:Eng-Lead(R)/PdM(A)/CS, Sales(C)/Exec(I)
Due:9/28 EOD(中間確認 9/25)
まとめ:価値条文から切れば“実装は終わったが価値が出ない”を防げる。
具体例:上記テンプレで作成した3件のMustが完了し、Aha到達率+6pt。
通知:届く文章は“短文+リンク+責任”
良い通知は短く、読む前に要点がわかる。なぜなら、作業者の注意は希少資源だからです。通知の目的は「何が変わり、誰が動くか」を明らかにし、Aha/TTV/D1のどれに効かせるかを一行で示すこと。
- 件名に【PRD更新】+バージョン+目的
- 本文は1〜3行+PRDリンク+チケットリンク
- RACIで責任を明示(R/A/C/I)
【通知テンプレ(Slack/メール)】
件名:【PRD更新】v1.3 p95短縮(項目3削減)/今週実装
本文:Aha到達のp95を2分短縮するため、Must #M-01〜03を発行。
PRD→(リンク)/チケット→(リンク)
R:Eng-Lead/A:PdM/C:Sales, CS/I:Exec
まとめ:短文は誤読を減らす。
具体例:通知を1画面で完結させ、CSの質問件数が半減。
フォローアップ:KPIの“毎朝5分”と“週次三行”
“見える化”の目的は、意思決定の速さを守ること。運用は軽く、しかし毎日回す。Aha・TTV(p50/p95)・D1のタイルで「どこが詰まっているか」を一目で把握し、週次は三行で学びを残す。これは、議論を過去に引きずられないためです。
- 毎朝:Aha到達率/TTV p50・p95/離脱トップ3/入口別Aha
- 週次三行:Aha(±◯pt)/p50(±◯秒)/p95(±◯秒)/D1(±◯pt)|学び|次(判定日)
【三行報告フォーマット】
Aha(+6pt)/ p50(-20秒)/ p95(-120秒)/ D1(+4pt)|
学び:長文ガイド→折りたたみでp95改善。入口を招待リンクに固定すると効果が安定。|
次:入力テンプレ導入でp95 -60秒(判定 10/02)
まとめ:軽い運用ほど続く。
具体例:三行運用を始めて2週で、経営会議の再説明が激減。
“落とし穴”対策:抜け漏れはチェックで潰す
レビュー後の失敗は、たいてい「責任のぼやけ」「期限の霧」「観測不能」のどれかです。チェックリストで潰します。これは、p95の悪化を“運用の穴”から守るためです。
- 責任:R/A/C/Iを書いたか(Rは1人)
- 期限:Dueと中間確認を明記したか
- 観測:AC条文化・イベント一意化をチケットに転記したか
- 通知:v+0.1と決裁ログを添えて配信したか
【コピペ:抜け漏れミニチェック】
□ Rは1人? □ Dueは日付? □ ACを転記? □ 'achieve_aha'一意? □ 通知済?
まとめ:運用の穴は“前もって”塞ぐ。
具体例:一意化漏れをチェックで発見し、Aha率の日次ブレ(±6%)が消失。
具体例を丁寧に読む:会議後の“行間”までたどる
例1|受け入れ基準を写し忘れたタスクが“合格なのに価値が出ない”を招く
開発は予定通り完了。しかしAha率が伸びず。原因は、AC(3クリック・3分・一意発火)がチケットに入っておらず、UI変更が“説明強化”に寄り過ぎたこと。タスク雛形にAC必須欄を追加し、次スプリントで回復。
例2|通知が長文で読まれず期日が流れる
良かれと思って背景を詰め込んだ結果、誰も読まない。件名に【PRD更新】、本文1〜3行+リンクに削り、開封率と着手率が改善。期日遅延が半減しました。
例3|ダッシュボードが賑やかすぎて判断できない
グラフが10枚ある状態では、毎朝5分が「鑑賞会」になる。Aha・TTV p50/p95・離脱トップ3・入口別Ahaの4タイルに絞り、アラートはp95>目標+20%のみ。会議の焦点が自然に“p95短縮”へ寄る。
会議台本:レビュー翌日の“動かす会”15分
レビュー翌朝に短い“動かす会”を固定します。理由は、意思決定を行動に繋げる最後の橋渡しだからです。
- 3分:PRD v+0.1の変更点を音読(旗・道・数字)
- 6分:Mustチケット3件の進行確認(ブロッカー抽出)
- 4分:ダッシュボードのp95と離脱トップ3を確認
- 2分:三行報告の担当と判定日を再確認
【ひと言で締める】
「今日は“p95を2分短縮”に集中します。進捗は三行で、判定は金曜朝。」
関連知識を深める
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
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FAQ
- Q. タスクを細かくすると管理が大変です。
- A. “価値の条文(AC)”単位でのみ分割します。1〜3日で完了し、Aha/TTVに影響が見える粒度が最適です。
- Q. 通知を誰まで送るべき?
- A. RACIで役割を固定。R/Aには必須、Cには要点のみ、Iには週次の三行報告だけで十分です。
- Q. 週次の判定があいまいになります。
- A. 三行報告に“次(判定日)”を必ず入れてください。締切がない学習は学習ではありません。
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