「PdMって、実際なにをしている人ですか?」
現場でマネージャーをしていると、毎月のように聞かれます。答えはシンプルで、「価値が出るまで責任を持つ人」。機能を出したら終わりではなく、ユーザーが“使って良かった”と感じるところまで連れていくのが仕事です。本稿は、私がチームを率いるときに必ず伝える基本と、明日から動ける手順をハブとして一本にまとめました。
1. PdMとは:ゴールは「価値が動く」まで
PdMは計画や合意で止まらず、Aha→TTV→翌日活性の先行指標で価値が動いたかを見届けます。Ahaは「初回価値」、TTVは「そこに到達するまでの時間」、翌日活性は「翌日に再起動する導線」。この3点が回ると、事業の伸びは素直に立ち上がります。
- Aha:初回体験で「これだ」と思える瞬間の定義
- TTV:Aha到達までの最短ルート設計(3クリック設計が基本)
- 翌日活性:小さな成果を翌日に再起動させる導線・通知・ナッジ
指標設計の具体は、姉妹記事に詳しくまとめています。価値提供型PdMの設計図、課題解決型PdM 完全ガイドも合わせてどうぞ。
2. 仕事内容:一日の仕事を「前工程→実装→立ち上げ」で分解する
2-1. 前工程(問題を定義する)
- ユーザー理解:5人×15分の軽量インタビューを週1で継続
- 課題仮説:状況/動機/障壁/トリガーで1カード化
- 意思決定:一行ログ(DECIDE-LOG)でベットを明文化
ここをショートカットすると、後工程で確実に迷子になります。インタビューの質問は型があります。具体例と失敗回避はユーザーインタビュー完全ガイドにまとめました。
2-2. 実装(課題→要件→受入条件)
仕様は「課題→要件→受入条件」の順。課題カードに紐づかない要件は切る。受入条件はユーザー視点の完了定義で書くと齟齬が減ります。
2-3. 立ち上げ(オンボーディング)
UIだけで戦わない。文面・導線・初回タスク・通知・CSスクリプトまでが広義のプロダクトです。初回3クリックでAhaまで連れていく設計を標準にしましょう。
3. 必要スキル:8領域の「束ねて使う」力
- ユーザー理解(定性・観察・課題仮説)
- 意思決定(やる/やらない・判断ログ・ベット設計)
- 定量(計測設計・Aha/TTV/翌日活性)
- 仕様/要件(課題→要件→受入条件・非機能)
- PMF/提供価値(Jobs/セグメント適合)
- オンボーディング(初回価値到達の短縮)
- コミュニケーション(合意形成・ナッジ文面)
- リード(小さく賭けて学ぶ仕組み化)
ポイントは単発の知識でなく、先行指標が動くように束ねて使うこと。具体な束ね方はPdMスキルマップ完全ガイドに詳細を書きました。
4. 課題解決型と価値提供型:順番を間違えない
現場の手当は課題解決型(顕在課題を2週間で動かす)。中長期の伸びは価値提供型(潜在課題から体験を再定義)。未経験〜ジュニアはまず課題解決型で1〜2サイクル勝ち筋を掴み、価値提供型へ段階的に広げるのが最短です。
- 課題解決型PdM 完全ガイド:現場の詰まりを2週間で動かす手順とテンプレ
- 価値提供型PdMの設計図:提供価値→体験→習慣化を一本で繋ぐ
5. 未経験の始め方:最初の30日プラン
Day 1–7:観察と型づくり
- 既存プロダクトのAha定義と到達導線を自分の言葉で説明
- 5人×15分のインタビュー枠を週1で確保、質問テンプレを準備
- 判断を全て一行ログ化(DECIDE-LOG)
Day 8–21:小さなベット
- Aha到達の摩擦をひとつ潰す(3クリック設計に改修、文面・導線含む)
- 翌日活性を作る(小さな成功→翌日の再起動を仕込む)
Day 22–30:学びの共有
- 背景/仮説/先行指標の変化/学び を1枚で共有
- 次のベットを提案(価値提供型へ接続するタネも1つ入れる)
より具体的な導線作りは、ロードマップ作成に悩むジュニアPdMへと、コミュニケーションの実務は未経験PdMの「コミュニケーション術」をどうぞ。
6. 年収と市場:評価は「成果の再現性」
年収はレンジも広く、「先行指標を動かした再現性」があるかで決まります。面接で問われるのは、どんな仮説で、どんな賭けをして、何をもって成功としたか。履歴書の機能列挙より、Aha/TTV/翌日活性の変化で語れると一気に通ります。
7. よくあるつまずきと立て直し方
- 機能志向:課題に紐づかない要件を切る。受入条件をユーザー視点に。
- 定性不足:5人×15分を週1で。軽量に継続する仕組みを先に作る。
- 計測迷子:Aha→TTV→翌日活性の3点に絞る。KPIは増やさない。
8. 明日から動くためのチェックリスト
- Aha定義を一文で説明できる/TTVを3クリックで短縮できている
- インタビュー枠(5人×15分/週)を確保、質問テンプレがある
- 判断は一行ログ(DECIDE-LOG)で残している
- 翌日活性の導線が設計されている(小さな成功→再起動)
内部リンク(ハブ)
- 価値提供型PdMの設計図|提供価値→体験→習慣化
- 課題解決型PdM 完全ガイド|2週間で動かす手順
- ユーザーインタビュー完全ガイド|質問例&失敗回避
- PdMスキルマップ完全ガイド|習得戦略
- ロードマップ作成の基礎と実践
- 現場で信頼されるコミュニケーション術
おわりに:評価は「動かした事実」だけが運んでくる
会議での正しさより、ユーザーが動いたという事実が評価と年収を連れてきます。Aha→TTV→翌日活性の3点を束ね、2週間で小さく賭けて学ぶ。このリズムをチームに根づかせるのが、PdMの最初の仕事です。詰まったら、上のハブから必要な章に戻ってください。今日の一歩を一緒に設計しましょう。


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