結論:PdMの年収は「価値(Aha)×速さ(TTV)×継続(D1)」の因果と再現性を5分で示せれば、上げ幅は取りにいけます。
交渉は“お願い”ではなく“投資判断”の会話です。相場だけ叫んでも動きません。評価者が知りたいのは「誰に、どんな価値を、どれだけ早く届け、翌日も使われたか」—そしてそれを別領域でも再現できるか。本稿は、面接〜内定後の実戦で使える交渉テンプレを一式で提供します。迷ったら“価値→速さ→継続→再現性”の順で語れば大丈夫です。
意思決定と価値づくりの両輪はここが基礎です。課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図で全体像がつながります。
1. 交渉の前提:上げ幅は「相場×役割の広さ×再現性」で決まる
交渉の土台は“どれだけ高く欲しいか”ではありません。相場はあくまで外枠で、上げ幅を決めるのは「どの顧客に、何の価値を、どれだけ早く届けたか(Aha/TTV)」「翌日の継続(D1)を押し上げたか」「別領域でも再現できる根拠」の三点です。ここが語れないと、面接官はリスクとみなしてレンジ下限に寄せます。先に“測り方”をそろえるのが得策です。
要点:相場は上限の目安/上げ幅は役割の広さと再現性で決まる/評価者は因果(Aha→TTV→D1)で聞いている/忙しさのアピールは逆効果—価値の差分を出す。
【チェックリスト:交渉の前提整備】
- Aha到達率/TTV中央値/翌日活性(D1)の前後比較が1枚である
- 役割の広さ(課題→戦略→実行→検証)を1行で言える
- 再現性(別機能/別セグメントへの転用案)がある
- 相場レンジ(希望最小/希望最適/妥協下限)をテーブル化
具体例:「新機能◯件」ではなく「オンボの分岐削減でTTV短縮→D1相対改善。別機能にも同型を適用予定」と語ると、上位レンジの議論に入れます。
まとめ:相場は“参照”、上げ幅は“因果と再現性”で勝ち取りましょう。
2. 事前準備:職務経歴の“翻訳”と証拠パッケージを作る
交渉の勝敗は準備で決まります。職務経歴は「役割の広さ→価値の差分(Aha/TTV/D1)→再現性」の順で見出しを作り、前後比較のスクショ、Slack合意ログ、PRD断片の三点セットを“1枚”で提示できる状態に。これだけで「この人は再現できる」と判断され、上限レンジの議論に入れます。
要点:見出しは動詞で/スクショはビフォア→アフター1枚/Slackは決定権と期限が見える文面を添える/PRDは目的を価値指標で書く。
【PRD断片(交渉提出用:コピペ可)】
目的:Aha到達率 +◯pt / TTV中央値 -◯% / D1 +◯pt
背景:初回導線の分岐と用語難で離脱
解決:導線1本化+説明2行+図解1枚(所要:1SP)
検証:前後2週間+定性n=5
再現:別機能でも「分岐削減→TTV短縮→D1改善」を適用予定
具体例:前後スクショとPRD1枚、Slack合意の3点を紙で持参。数値が出しづらい領域でも“因果の物語”だけで十分に戦えます。
まとめ:証拠は“1枚×3点”。読む人の時間を奪わない設計が武器です。
3. 面接当日〜内定後:5分プレゼンとメール/Slackの台本
当日は“先に結論”。G/W/T(Goal/Why/Trade-off)に価値指標を重ね、5分で語り切ります。内定後の交渉は、礼節を保ちつつ「期待役割×再現性×相場レンジ」で整然と。メールやSlackは“短く・具体的に・期限付き”で送ると、交渉が長引きません。
要点:結論→根拠→トレードオフ→再現性の順/メールは希望と根拠をテーブルで/Slackは決定権者を明記しデッドラインを切る。
【5分プレゼン台本(面接でそのまま)】
1) 結論:Aha +◯pt / TTV -◯% / D1 +◯pt を実現
2) Goal:対象セグメントのAhaを「30秒で◯◯できた」に定義
3) Why:定性n=5+ログで阻害=用語/分岐を特定
4) Trade-off:説明を2行、導線を1本化(非スコープも宣言)
5) 再現:同型を別領域へ適用中/適用計画あり
【内定後メール例】
件名:オファー条件のご相談
本文:期待される役割(◯◯領域の価値創出)と再現性(上記の型)を踏まえ、
年収は◯◯〜◯◯のレンジで再検討をお願いできますか。
根拠:Aha/TTV/D1の差分とPRD一式を添付。ご判断の期限を◯/◯まで頂けると幸いです。
具体例:数字の開示が難しい場合でも、前後比較のスクショ+PRD+合意ログで“検証済みの型”を示すだけで交渉は前に進みます。
まとめ:台本は“短く具体”。期限と決定権を先に置いて迷子を防ぐ。
4. 条件テーブルの作り方:金額だけでなく“変数”で勝つ
年収交渉は金額だけで終わりません。職位・裁量・評価周期・サインオン・リモート比率など“価値創出の自由度”を高める変数が重要です。総額が同じでも、裁量と評価周期が整っていれば次の上げ幅は取りやすい。テーブルで“可変枠”を見える化し、相手が譲りやすい選択肢を提示しましょう。
要点:変数で合意の余地を作る/裁量と評価周期は上げ幅の前倒し装置/“今は◯、◯ヶ月後に再評価”の条件付けも有効。
【交渉条件テーブル(コピペ可)】
金額:年収◯◯〜◯◯(希望最適/妥協下限)
職位:タイトル/グレード(裁量の範囲を明記)
評価:評価周期◯ヶ月/特別査定トリガ(Aha/TTV/D1の差分)
契約:サインオン◯◯/リモート比率◯◯/副業可否
再評価:入社◯ヶ月後にレンジ再交渉(KPI達成を条件)
具体例:金額が渋いときに「3ヶ月の特別査定(Aha/TTV/D1の達成で昇給)」を条件に入れると、合意の糸口が生まれます。
まとめ:金額が詰まったら“変数”で前に進めるのがPdM流です。
5. カウンターオファーと退路:失礼なく“意思決定の型”を貫く
カウンターは短期的には魅力的でも、構造が変わらなければ再燃します。意思決定は「評価軸を先に置く→比較→期限で締める」。現職への返答は礼節第一で、数字ではなく“役割と再現性”に寄せて説明します。退路は常に用意しつつ、二股交渉の印象は避けましょう。
要点:評価軸を事前宣言(Aha/TTV/D1に接続)/比較はテーブル1枚/返答期限を先に置く/礼節と事実で断る。
【判断台本(社内外へそのまま)】
評価軸:①役割の広さ ②価値の差分(Aha/TTV/D1) ③再現性
比較:各社の充足度を◯/◯/◯で棚卸し
期限:◯/◯までに決定します
現職返信例:
「ご提案に感謝します。私が重視しているのは“価値を早く再現する役割”です。
今回ご提示の内容では②③の見通しが立たないため、辞退いたします。」
具体例:「給与は上げる」だけのカウンターに対し、評価軸(役割×再現性)を先に置いて辞退。関係を損なわず意思決定の型を貫けます。
まとめ:短期の数字より“型”。PdMらしい判断でキャリアを守る。
Aha→TTV→翌日活性の並べ方はKPI設計と運用ガイドが最短です。
有料note(特典あり)
テンプレートをまとめて使うならこちら(特典PDF2点:PdMスキルテンプレ集/キャリア戦略シート)。
FAQ
- Q. 数字を言えない案件しかありません。どう交渉すべき?
- A. 前後スクショ+PRD断片+Slack合意で“因果の物語”を提示。代理指標(成功トースト閲覧率/問い合わせ率)で補強すれば十分戦えます。
- Q. 内定後にどのくらい上げ幅を要求していい?
- A. 相場レンジの“希望最適”を提示しつつ、変数(裁量/評価周期/サインオン)で落としどころを作るのが安全です。
- Q. カウンターで迷ったら?
- A. 事前の評価軸(役割×価値の差分×再現性)で棚卸し、期限で締めて決めます。感情ではなく“型”で判断を。


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