結論:リリースは「学びを得るための手段」です。成果は“知見の再現性”で測る。
多くの組織では「何本リリースしたか」「どれだけ施策を出したか」がKPIになっています。
しかし価値提供型のPdMにとって、真の成果は「再現可能な学びをどれだけ積み上げたか」です。
1. 学びをKPIに置き換えるとは?
「リリースKPI」はチームを“アウトプット依存”にします。
学習KPIとは、“プロセスの中で得られた再現可能な知見”に焦点を当てる考え方です。
従来のKPI: - リリース本数 - チケット消化率 - 改修完了までのスピード 学習KPI: - 仮説→検証→学びまでを完了した回数 - Aha再定義/TTV改善などの検証結果 - 学びを他チームで再現できた数
惹きつけの視点:
学びを積み上げることは“意思決定のコスト削減”そのものです。
チームの再現性が上がるほど、判断が速く・正確になります。
2. 学びKPIを設計する3つのステップ
学びKPIは“見えない成果”を定義するもの。
曖昧に見えても、構造を作れば測れます。
① 目的を明文化する
なぜ学ぶのか?ゴールを「意思決定の質向上」と「再現性の拡張」で定義します。
② 学びの単位を定義する
- 1仮説あたりの学び(例:「Aha再定義に成功」「UX課題の構造を特定」)
- 1スプリントあたりの学び(例:「ユーザー行動のパターンを特定」)
③ 学びを定量化する
例: - 仮説検証サイクルを週1で完了(回数) - 学びをチーム共有に転記(ナレッジ率) - 翌施策に再現された割合(再利用率)
学習KPIは単なるモチベーションではなく、“次の判断精度”の指標になります。
3. 実例:リリースより学びで成果を出したチーム
ケース:SaaS事業のオンボーディング改善チーム
従来は「週2リリース」が目標。しかし、半年経ってもD30活性は横ばい。
そこで学習KPIを導入し、リリース数ではなく「得られた学び」を計測するようにしました。
初期KPI:週2リリース → 改定後:週1仮説検証(AhaまたはTTV改善を含む) 結果: - Aha% +4.8pt - TTV p95 −15秒 - 翌月継続率 +6.2pt 学び共有の場を週1で設け、他チームでも横展開
“出した数”ではなく“残した知見”が増えた結果、事業インパクトは長期で伸びました。
4. チーム運営:学びを文化にする仕組み
学びは一人のPdMでは続きません。チームで共有し、判断の型に落とし込むことが重要です。
- ナレッジレビュー: リリース後に「学び」を発表する5分枠
- 週次ボード: 仮説→検証→結果→学びを1枚で共有
- 意思決定ノート: 次の判断に活用した“引用例”を残す
この“知見の再利用率”が、チーム力のKPIになります。
5. リリースを減らして成果を上げる考え方
「リリースを増やせ」は一見、事業貢献に見えます。
しかし、それは短期的な量の最適化に過ぎません。
真のPdMは、“リリースを減らしても成果を出せる人”。
それが、価値提供型PdMの証です。
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FAQ
Q1:リリース数を上司から求められる場合は?
A:リリース=学びの実験回数と定義し直しましょう。「数をこなす」ではなく「検証を積み上げる」へ。
Q2:学びKPIをどう可視化する?
A:週次の検証ボードで“検証→結果→学び”を1行サマリ化するだけで十分です。可視化は簡単、継続が本質。
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