PdMの意思決定を速く正確に:DACI×5枚メモの実践ガイド【図解・テンプレ付】
結論:意思決定の詰まりは「権限設計」と「情報の形」を変えるだけで解消します。 私は現場で、DACIで誰が決めるかを固定し、5枚メモで学習を一枚に畳む運用に変えた瞬間、議論の迷子が消え、リードタイムが短縮されるのを何度も見てきました。
なぜ意思決定は詰まるのか
会議が長いのに何も決まらない原因は、努力不足ではなく設計不良です。発言権と決定権が混ざり、誰も最終判断を持たないまま、情報がバラバラの形式で流れてくるから止まります。まずは「決める人」と「意見を出す人」を分け、同じ型で情報が並ぶ環境を作りましょう。
DACIで「誰が何を決めるか」を固定する
発言権と決定権を分けて議論の迷子を防ぐために、案件ごとに4役(D/A/C/I)を一枚メモで明示し、全員に決定権が分散する状態は避けてD(Driver)とA(Approver)は各1名に固定します。これだけで会議の軸が立ち、異論は出ても迷走は消えます。
コピー用:DACIメモ(案件ごとに1枚)
【DACI(案件:___)】
D(Driver/推進) :___(進行・アジェンダ・期限管理)
A(Approver/承認):___(最終判断)
C(Contributors) :___(エンジニア/デザイナー/CS など)
I(Informed/共有):___(関係者)
決め方:Aが最終判断。反対意見は「GWT/非機能/計測」の三軸で提出
期限:__/__(差し戻しは Slack スレ一本化)
5枚メモで「学び→意思決定」を一本化する
会議では「やったこと」ではなく「価値が動いたか」を話します。だから私は情報を5枚メモ(背景/課題/仮説/施策/計測)に畳み、判断材料を同じ順番・同じ粒度で比較できるようにします。議論は短く、検証は早く、学習は濃く。
- 背景:状況・セグメント・既知の制約
- 課題:ユーザーの具体行動と摩擦(事実ベース)
- 仮説:行動が変わる理由・Aha仮説
- 施策:最小解(リードタイム最短・非機能の影響)
- 計測:Aha到達率/TTV/翌日活性の期待変化と期間
意思決定の設計に慣れたら、価値の作り方も併走で。課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図に進むと全体像がつながります。
週次運用:この順番で回すと詰まらない
順序を崩さないことが速度になります。私は次の3ステップで運用します。
- 月曜AM|スナップショット:Aha到達率/TTV/翌日活性の推移を15分で確認。異常は「背景」へ。
- 水曜PM|ディスカッション:5枚メモだけを持ち寄り、Aが判断。差し戻しは理由を一行で。
- 金曜PM|ふりかえり:結果を5枚メモに追記。学びは「次の仮説」に接続して完了。
失敗例→直し方(よくある3パターン)
失敗:全員が「承認っぽく」なり誰も決めない。
直し方:DとAを1名に固定し、Aは期限内に一行で判断。
失敗:施策の話から入り、課題や仮説が後付け。
直し方:5枚メモの順番厳守。施策は仮説の子にする。
失敗:KPIは語るが先行指標(Aha/TTV/翌日活性)が無い。
直し方:計測を先行指標に寄せ、期間を2週間に制限。
今日から動かすチェックリスト
道具は軽く、回数は多く、学びは濃く。まずはここからで十分です。
- 今週の案件にDACIを1枚導入(D/Aを指名、期限を明記)
- 次回会議の資料は5枚メモのみ(スライド全面禁止)
- Aha定義・TTV・翌日活性の基準値をチームで1枚化
よくある質問(超要約)
Q. 反対意見が強いと前に進みません。
A. 反対は歓迎。GWT(Goal/Why/Test)の型で提出し、Aが納期内に裁定します。
Q. 5枚メモが冗長になります。
A. 各枚を最大8行に制限。長くなったら「背景」に戻して圧縮。
まとめ
チームが速く賢くなる仕組みは、気合ではなく設計です。DACIで権限を分け、5枚メモで学習を畳み、先行指標で小さく賭ける。明日から実験できる最小単位に分解し、まずは2週間で手応えを取りにいきましょう。価値が動けば、組織は勝手に前へ進みます。


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