深夜のリリース直後、ダッシュボードの数字はそれなりに動いているのに、会議では「で、何から?」と足が止まる。AARRRの図はみんな知っているのに、現場では使い切れない――そんなときに効くのが「AARRRを先行指標に翻訳する」という考え方です。
結論:Activation=Aha(初回価値達成)、Retention=翌日活性、Revenueは遅行と割り切り、TTV(価値到達時間)を短縮する設計に一本化すれば迷いません。
意思決定と価値づくりの全体像は課題解決型PdM 完全ガイド/価値提供型PdMの設計図で土台から確認できます。
1. AARRRを“運用のことば”にする(ねらい→やり方→失敗と直し方)
ねらいは「毎週の入替ができる指標」に変換すること。やり方は、AARRRのうち日次で動かせるAcquisition/Activation/Retentionを、Aha・TTV・翌日活性で記述し直す。失敗は、レベニューやLTVで短期の会議をやってしまうこと。直し方は、四半期レビューで遅行指標、週次では先行指標だけを見る運用に分離します。
【翻訳の型】
Acquisition:対象セグメント+流入経路(例:新規/検索)
Activation:Aha達成率(event=save_success など)
Retention:翌日活性(前日成功→翌日直行)
Revenue:四半期レビューで評価(週次からは外す)
TTV:first_open→Aha達成 のP50/P95
2. イベント定義テンプレ(そのままコピペでOK)
定義がブレるとチームが迷います。イベント名と計算式を先に決め、ダッシュボードは“4枚”に制限しましょう。
【イベント定義】
Aha:event=save_success(初回保存など“価値が出た瞬間”)
TTV:first_open → save_success の経過時間(P50/P95)
翌日活性:save_success 後、翌日 resume_opened(直行)の率
Acquisition:utm_source / referrer で新規判定
【毎日見る4枚】
1) Aha達成率 2) TTV P50/P95 3) 翌日活性 4) 新規比率
Aha→TTV→翌日活性の並べ方はKPI設計と運用ガイドが最短です。
3. PRD断片:やらない線→判定基準→先行指標
AARRRの運用はPRDの書き方で9割決まります。仕様を足す前に「非スコープ→G/W/T→KR(先行指標)」の断片を置くと、スクラムの入替が速くなります。
【PRD断片(例)】
非スコープ:高度通知/多言語/外部連携(今回やらない)
G:主ボタンは1つ、成功トーストに「続き(30秒)」
W:エンプティにサンプル3件、再開導線を常設
T:“あとで”可、暫定保存可
KR:Aha +5pp、TTV P50 −2分、翌日活性 +4pp(旧比)
4. 会議10分台本(読み上げで運用できる)
ファネルの“説明会”にしないこと。入替の痕跡で合意を作ります。読み上げだけで回る台本をどうぞ。
[00-02] 先週の学習:撤退/継続/新規(スクショ1枚)
[02-05] 先行3指標の差分:Aha / TTV / 翌日活性
[05-08] 今週の入替:1位に集中→PRD断片を更新
[08-10] リスク共有:例外(法務/信頼性/計測基盤)は別レーン
5. Slack定型文と数値の“言い切り”表現
稟議や社内周知は、数値を差分で言い切るのが最短です。「上がりそう」は禁止。撤退条件も先に置いておきます。
【Slack定型文】
目的:初回価値を30秒で達成し、翌日再開を底上げ
今週:入替=エンプティ→テンプレ保存(30秒)
KR:Aha +5pp / TTV -2分 / 翌日活性 +4pp
撤退条件:Aha +3pp未満 かつ TTV悪化
6. ありがちな失敗と回避策
よくある落とし穴は3つ。運用のクセを直すだけで数字の伸びが変わります。
- Activationを“クリック率”で測る:Aha達成の有無に置き換える。
- Retentionを“週次アクティブ”だけで測る:翌日活性(D1)を主指標に。
- Revenueで週次会議:遅行。四半期レビューで評価し、週次は先行のみ。
7. 今日から使えるチェックリスト(配布用)
チームのチャンネルやNotionに貼るだけで運用が加速します。
□ Aha/TTV/翌日活性のイベント定義が決まっている
□ ダッシュボードは4枚に制限(Aha/TTV/D1/新規比率)
□ PRD断片に「非スコープ→G/W/T→KR」がある
□ 週次で撤退/継続/新規の入替ログを残している
□ 先行指標は差分(+pp/−分)で言い切っている
FAQ(見えるブロック)
- Q. AARRRすべてを毎週追うと時間が溶けます。どう分ける?
- A. 週次はAha/TTV/翌日活性のみ。Revenueは四半期で評価。会議の目的を分離します。
- Q. Activationをどこまで厳密に定義すべき?
- A. 「価値が明確に出た瞬間」を1イベントに集約。曖昧なクリックや閲覧は使いません。
- Q. 通知でRetentionを無理に上げても良い?
- A. 嫌われやすく逆効果。成功トースト→再開導線→翌日1回通知の一筆書きが最短です。
テンプレ完全版(PDF)
AARRRの運用テンプレ:PRD断片・イベント定義・会議台本・Slack定型文をまとめたPDF。
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