結論:PRDは「旗(Why)/道(How)/数字(Proof)」の3スライドで役員を通すのが最短です。
いちど会議が迷走すると、資料を足すほど疑問が増えます。逆に、最初の1分で「旗と道と数字」を置ければ、議論は要所だけに絞られます。役員は細部の“正しさ”より、資源配分の“勝ち筋”が見たいからです。本稿では、導入ストーリー→3スライドの型→反論テンプレ→配布資料→会議運用の順に、今日から使える台本とコピペ素材を提示します。
1. 導入ストーリー:迷った会議がなぜ長引くのか
新機能を持ち込んだ経営会議。スライドは20枚超。最初の質問は「誰が困っている?」、次は「本当に短縮されるの?」、最後は「で、いつ何を見る?」。良い質問ですが、散発的に浴びると重心が揺れます。そこで翌週、3スライドに削りました。
- Slide1「旗」:誰の何を、なぜ今やるか(目的と事業価値)
- Slide2「道」:入口→Ahaの最短経路(摩擦3類型の潰し方)
- Slide3「数字」:Aha/TTV(p50・p95)/D1とゲート条件
【コピペ素材:冒頭30秒】
「本件は“初回の法人管理者”の登録を3分で完了させ、有料契約率を上げる計画です。
道は入口からAhaまで3クリック。今週は入力の摩擦を削り、p95を2分縮めます。
ゲートは“p95≤7分、D1≥40%”。数字で判定し、通過すればGAへ進みます。」
まとめ:冒頭で“旗・道・数字”を並べると、会議の土俵が固定されます。
具体例:スライドを3枚に減らしただけで、質疑の8割が「p95をどう削るか」に集中しました。
2. Slide1「旗」:Whyを一文で固定する
Whyが曖昧だと、以降は“正しさ競争”になります。そうなると、各部門の妥当な要求が衝突し、時間が溶ける。だから最初に旗を立てます。これは、議論の主語を“顧客の課題と事業価値”に縛るためです。
- 要点:対象/課題/事業価値を一文にする
- 補助:ターゲットセグメントの根拠(ログ/インタビュー)を一行で添える
- 禁止:抽象語(改善・最適化)。効果の筋が見えなくなるからです。
- 見せ筋:事業貢献は“率”より“母数×率”で示す(契約率×対象数)
【雛形:旗】
対象:初回の法人管理者/課題:登録が長く途中離脱/事業価値:契約率向上
一文:「初回管理者の登録を3分で完了させ、離脱を抑え、有料契約率を持続的に引き上げる。」
まとめ:旗は会議中に何度でも“読み直す”ための定点です。
具体例:旗の一文をスライド下部に常駐させると、脇道質問の頻度が減りました。
3. Slide2「道」:入口→Ahaの最短経路を描く
経営会議で“画面の色”は要りません。Ahaに届く最短線だけを、摩擦の3類型(入力/待ち/理解)で潰します。これは、投資の当て先を明確にし、p95の尾を短くするためです。
- 要点:入口を一つに固定(招待リンクなど)
- 要点:最短3ステップ(view→click→achieve)を太字で提示
- 要点:摩擦ごとのレバー(項目削減/非同期化/結果の先出し)を1行ずつ
- 補助:前期の学び(離脱トップ3)を“小さく”貼る
【雛形:道(1枚)】
入口:招待リンク
最短経路:1) view_entry → 2) click_primary_cta → 3) achieve_aha(完了トースト)
潰し方:入力=必須≤2/待ち=非同期+シャム/理解=目的一文+成果の先出し
AC:3クリック・3分・一意発火
まとめ:道は“地図ではなく直線”です。
具体例:項目3削減+非同期化だけで、p95が8.2→5.9分へ短縮しました。
4. Slide3「数字」:Aha/TTV(p50・p95)/D1でゲートを決める
“やる・やらない”は数字で決めます。平均は隠します。p95が遅延の山を映すからです。加えて、ゲートは誰が開けるかまで明記します。これは、終わりなき“改善中”を防ぐためです。
- 要点:Aha定義はUIとセット(完了トーストで一意発火)
- 要点:TTVは起点・終点を文で固定(view→achieve)
- 要点:ゲート条件(MVP/β/GA)を数値で提示
- 要点:責任者(誰がOKを出すか)を記名
【雛形:数字(1枚)】
Aha:初回チーム作成完了(完了トースト連動)
TTV:p50=3分/p95=7分(起点=view_entry/終点=achieve_aha)
D1:Aha達成者の翌日活性40%
ゲート:GA=Aha≥35%&p95≤7分&D1≥40%(決裁:PdM×Eng×Biz)
まとめ:数字は“判定装置”です。
具体例:ゲートを明文化してから、経営会議の再審回数が半減しました。
5. 反論テンプレ:パターン別の切り返し
想定質問は先に文章にしておきます。即答できると、信頼はそこで決まります。以下はよくある3種の反論と切り返しの型です。
- ①「それ、競合Aもやってる」——差分はAhaの“速さと確度”。
切り返し:「本件は『3クリック・3分』でAhaに届く点が差分です。競合は入口が複数でp95が長い。私たちは入口を招待リンクに絞り、p95を先に潰します。」 - ②「SSOが無いと企業は使えない」——順番を間違えると負け筋。
切り返し:「初期コホートの価値は“開始の速さ”。SSOはWon’tで再審日を設定。GA後に導入、D1と運用負荷の実測を持って判断します。」 - ③「もっと説明を追加できない?」——長文はp95を悪化。
切り返し:「長文ガイドはp95の尾を伸ばします。目的一文+折りたたみで理解の摩擦を抑えます。」
【コピペ素材:反論メモ】
- 差分は“Aha到達の速さ・確度”で語る(機能比較に入らない)
- 順番の議論に引き戻す(Won’t+再審日)
- p95を主語にする(遅い層を守る=サポ負荷を抑える)
まとめ:反論は“順番とp95”で裁くと短い。
具体例:SSO議論は再審条件を示すだけで10分短縮できました。
6. 配布資料テンプレ:1枚で“持ち帰れる”要約
経営会議後の共有は1枚に凝縮します。配布物が長いと、現場で“別解釈”が増えるからです。要点は、旗・道・数字・ゲート・次アクションの5点です。
【配布1枚テンプレ】
旗:対象/課題/事業価値(1行)
道:入口→Ahaの直線(3ステップ/摩擦の潰し方)
数字:Aha/TTV p50・p95/D1(定義を文で)
ゲート:MVP/β/GA条件と決裁者
次アクション:今週やること(p95を2分削る施策)
まとめ:“持ち帰れる1枚”は現場の速度を上げます。
具体例:配布1枚導入後、部門横断の齟齬が目に見えて減少しました。
7. 会議運用:進行台本と時間配分(20分版)
時間が短いほど、骨は見えるものです。20分版の台本を置いておきます。これは、議論の重力を「p95を縮める施策」に集中させるためです。
- 0–3分:Slide1 旗(一文)+対象根拠
- 3–8分:Slide2 道(最短経路/摩擦の潰し方/AC)
- 8–12分:Slide3 数字(Aha/TTV/D1/ゲート/責任者)
- 12–18分:Q&A(反論テンプレを読み上げる)
- 18–20分:決裁/宿題の明文化(再審条件と日付)
【ひと言で締める】
「本件は“速さ”で勝ちます。Ahaを3分で達成し、p95を7分以内に収めます。数字で判定してください。」
まとめ:台本は“同じ言葉を毎回使う”ほど強い。
具体例:毎回同じ締め言葉に統一してから、承認条件の解釈がぶれなくなりました。
u-note:意思決定の順路を固定する
Aha→TTV→翌日活性の順で見ると意思決定が速くなります。詳しくはKPI設計と運用ガイドへ。
関連記事
- 課題解決型PdM 完全ガイド
- 価値提供型PdMの設計図
- ユーザーインタビュー完全ガイド
- 2025年のPdM年収事情|市場動向と年収アップ戦略の最前線
- 【2025年版】【図解】PdMスキルマップ完全ガイド|8領域×習得ロードマップ
FAQ
- Q. 3スライドに削れません。重要な補足が多いです。
- A. 補足は配布1枚に集約し、会議では“旗・道・数字”だけ。会議の目的は判断であり、学習は後で共有すれば足ります。
- Q. 役員が機能比較に引っ張ります。
- A. 差分を“Aha到達の速さ・確度”で語ってください。機能の網羅は勝ち筋をぼかします。
- Q. いつ承認か曖昧になります。
- A. ゲートに数値と決裁者を結び、議事の最後に“次アクションと再審条件”を読み上げて締めます。
▼有料note(直リンク)


コメント