仕様書/要件定義の書き方|“一枚で通るPRD”現場テンプレ(受入条件・非機能・計測まで)

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PdM

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「PRDを書いたのですが、また差し戻されました……」。
夜、メンバーからメッセージ。添付されたドキュメントは丁寧なのに、どこか“ぼやけて”いる。私は返しました。
「一枚で通そう。目的→価値→振る舞い→受入条件→計測、ここだけ残して他は捨てる」
翌週、同じチームのレビューは10分で終わりました。決まったのは仕様ではなく、“振る舞い”と“判定方法”。その瞬間から、開発もCSも前に進み出します。

この記事のねらい

未経験〜ジュニアPdM向けに、一枚で通るPRDを現場テンプレ込みで渡します。ポイントは「機能を書く」のではなく、ユーザーの行動と先行指標(Aha/TTV/翌日活性)を先に固定すること。これで議論は短く、実装は速くなります。

1. “一枚PRD”の骨格(コピペOK)

背景→狙い→仕様の順に書くと、ほぼ確実に迷子になります。先に価値の振る舞いを決めてから逆算します。

# 一枚PRD(Product Requirements Document)

■目的(1行)
誰の・どの行動を・なぜ今、変えたいのか

■価値の振る舞い(ユーザーストーリー)
As:___(対象セグメント)
When:___(状況/トリガー)
I want:___(やりたいこと)
So that:___(得られる便益)
制約:3クリック/1画面1目的/次の一歩が1つ

■受入条件(Acceptance Criteria / Given-When-Then)
- Given:___の初期状態
- When:___を行う
- Then:___が保存/反映される(イベント名:aha_done)

■非機能(NFR)
性能:p95 __ms以内 / 可用性:__% / 権限:__
セキュリティ:PIIの扱い/ログのマスキング

■計測と判定(先行指標)
Aha定義:____
TTV:aha_start→aha_done の中央値
翌日活性:D1での __ 行動の再開率
ロールバック条件:____

■やらないこと(Non-Goals)
- ____
- ____

■影響範囲・リスク
CS/営業への影響、運用変更、データ移行

■付録(UI草案/文面)
空状態/完了モーダル/ナッジ台本(次の一歩を1つ)

ねらい:「仕様」ではなくユーザーの“振る舞い”を起点に合意する。
やり方:As-When-I want-So that を1行ずつ。受入条件はGiven-When-Thenの完了判定を書き切る。
よくある失敗:画面遷移やフィールドの列挙に終始→Thenの状態(何が保存/反映されたか)を最初に置く。

2. Aha/TTVから逆引きするPRD

会議が長くなる理由の9割は、判定日がないから。私はPRDの最上段に先行指標と判定日を置きます。

  • Aha:ユーザーが価値を感じた行動(例:初回○○の保存)
  • TTV:Aha到達までを3クリックで設計する
  • 翌日活性:翌日に「次の一歩」を1つだけ提示し、再開を計測

設計の詳細は、オンボーディング設計とTTV短縮の完全ガイドが体系化されています。PRDに落とす際は、イベント名(aha_start/aha_done)まで先に書いておくと、計測のすり合わせが一発で終わります。

3. 受入条件の“粒度”を合わせる(例付き)

受入条件が「なんとなく」だと、工数も責任も漂流します。保存・反映・可視化のどこまで担保するかを書き切る。

Given:初回ユーザーでテンプレートが1つ設定済み
When:テンプレートを選び「保存」を押下
Then:カードが作成され、一覧先頭に表示。イベント「aha_done」が発火し、
      完了モーダルで「次の一歩(共有)」のボタンだけ表示される

ねらい:誰が読んでも同じ“完了”が浮かぶ。
やり方:UI名ではなく、状態変化で書く。
失敗例:「正しく表示される」→何がどこにどう見えるかを書く。

4. 非機能(NFR)は“宣言”で速くする

PRDにNFRがないと、あとから炎上します。私は毎回、p95応答時間・可用性・権限だけでも宣言させます。

  • 性能:p95 200ms以内(リスト/保存時)
  • 可用性:現行SLA準拠(99.9%)
  • 権限:作成/編集は担当者のみ、閲覧はチーム
  • セキュリティ/ログ:個人情報のマスキング/監査ログを14ヶ月保持

NFRの視点は、要件定義の完全ガイドでも詳述。PRDの一等地に置くと、設計がブレません。

5. レビューの回し方(Slack文面・台本)

レビューは“会議”ではなく、宣言を確認する場にします。Slackはこの定型で。

件名:【PRDレビュー依頼】機能名/判定日◯/◯(Aha/TTV/D1で判定)

目的(1行):___
価値の振る舞い:As/When/I want/So that
受入条件(GWT):____
非機能:p95 __ms、可用性__%、権限__
計測:aha_start/aha_done、TTV中央値、D1再開率
やらないこと:____
判定日:__/ロールバック条件:__

※10分ミーティングで「受入条件と判定方法」だけ合わせさせてください。

レビュー台本は、MVP検証設計(BtoBtoC向け)の“賭けの宣言”と同じ流儀。賭け→判定→次の賭けの順で淡々と進めます。

6. よくある失敗と直し方(現場で本当に多い3つ)

  1. “画面の説明”になっている→ 行動の理由と状態変化で書く(保存/反映/可視化)。
  2. 受入条件が曖昧→ Given-When-Then を1行ずつ。Thenにイベント名を埋める。
  3. 計測が後回し→ PRDの先頭にAha/TTV/D1と判定日を書く。ロールバック条件も宣言。

7. チェックリスト(提出前に3分で確認)

  • 目的は「誰の・どの行動を・なぜ今」になっているか
  • 価値の振る舞い(As/When/I want/So that)が1スクリーン1目的になっているか
  • 受入条件がGWTで状態変化として書かれているか
  • 非機能をp95/可用性/権限/セキュリティで宣言したか
  • Aha/TTV/翌日活性の計測と判定日、ロールバック条件があるか

8. 物語:差し戻され続けたPRDが通った日

あの日、メンバーは“説明”をやめて、宣言を書きました。
「初回ユーザーがテンプレを1タップで保存。完了モーダルで“共有”だけを提示。aha_doneで計測」――会議室が静かになり、エンジニアが言いました。「それなら今日から作れます」。CSも続きます。「完了文面、私たちで書きます」。10分後、判定日が決まりました。
数字は翌週に動きました。TTVが短くなり、翌日活性が小さく跳ねました。PRDは仕様の書類ではない。チームの合意を短く作る、前進のスイッチです。

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